平成15年度 第1次合同発掘調査
平成15年度は、9月10日から12月19日までの日程で、甘粛省考古文物研究所及び甘粛省博物館での交流や、甘粛省の遺跡や博物館の見学・研修を行い、この間10月5日~11月24日に本事業の目玉の一つである磨嘴子遺跡の合同発掘調査を行いました。
平成15年度 調査の概要
調査期間 |
平成15年10月5日~11月24日 |
調査面積 |
200㎡ |
調査担当 |
日本国側:秋田県埋蔵文化財センター 中華人民共和国側:甘粛省文物考古研究所・甘粛省博物館・武威市考古研究所 |
磨嘴子遺跡は、甘粛省の省都蘭州から北西へ約300kmに位置する武威市にある遺跡です。今回の調査では後漢代(約2000~1800年前)の土洞墓24基を調査しました。土洞墓とは、平らな場所に長さ10m前後、最も深い所で3m前後の坂道(墓道)を掘り、突き当たりの壁に横穴式の部屋(墓室)を設けるお墓です。墓室には棺と一緒にたくさんの副葬品が納められています。
山の手前にある、茶色い台地が磨嘴子遺跡です。
今年度は、磨嘴子遺跡の地形測量も行いました。
土洞墓の墓道を入り口から見ています。青い服の人が掘っている場所が墓室の入り口です。
調査中には雪も降りました。11月でも気温が0°以下になる日が多いので、なかなか雪が溶けません。
墓室の入り口には、レンガのような土の塊が詰められて封印されています。
封印を除去したばかりの墓室の様子です。入り口から見ています。
棺の中の人骨は、ご覧のようにとても残りが良いです。話しかけてきそうですね。
墓室の壁には稀に壁画があります。写真は人物ですが、他に四神の白虎なども描かれていました。
棺の間にはたくさんの副葬品が納められていました。
棺の中にはこのような鏡が入っている場合があります。
甘粛省の省都蘭州市の服市場の様子です。平日でも人がいっぱいです。
磨嘴子遺跡のある武威市の町の様子です。中学生が昼休みを終えて学校に向かっています。
町の市場の中では、将棋をやっている人たちをよく見かけます。
農村部の家です。3mほどの高さの土壁で家を囲っています。
大量のトウモロコシを、天日干しにしたあと回収しています。
蘭州市の黄河沿いの道から見た朝日です。中国では一律北京時間を採用しているので、蘭州市あたりでは実際の時間と約1時間半ほどのずれがあります。冬場は、朝の8時頃でもご覧のような状態です。
蘭州市と武威市の途中にある天祝県の景色です。山の頂上に向かって漢の時代の長城がのびています。
敦煌市にある鳴沙山です。有名な観光地ですが、冬場は風が強く雪も降りとても寒いので観光客はあまりいません。
敦煌市の西部にある、漢の時代の長城西端である陽関と玉門関をつなぐ道です。
蘭州市の東部の山岳地帯です。広大な段々畑に雪が積もっています。