豊かな自然に恵まれた秋田県には、今からおよそ1万2千年以上前の旧石器時代から縄文時代・弥生時代などを経て現在に至る生活の跡が土に刻まれています。
この生活の跡(遺跡)には、当時の人々が使用した土器や石器など(遺物)が土中に埋もれ残っています。
このような遺跡や遺物を埋蔵文化財といいます。
当センターは、埋蔵文化財の発掘調査と研究、記録の整理、出土遺物の保存処理と収蔵に加え、出土品の展示やセカンドスクール的活用等の教育普及事業、古代体験等の活用事業を行っています。また、発掘調査の成果を広く公開するために、発掘調査中には遺跡見学会を、年度末にはその年度に調査した主な遺跡の報告会を開催しています。
さらに平成19年12月からは当センター特別展示室において年2回の企画展とそれに伴う講演会、各種セミナーを開催しています。また、発掘調査報告書や研究紀要を刊行し、それらは郷土の歴史を解明する資料として広く活用されています。
このように、当センターは埋蔵文化財の保護と活用について県内の中心的な施設として、その役割を果たしています。
埋蔵文化財センターに隣接する払田柵跡は、昭和6年に国史跡に指定された古代城柵官衙遺跡です。
昭和40年代に払田柵跡周辺での大規模な開発が計画されたため、秋田県教育委員会は仙北町(当時)に払田柵跡調査事務所を開設し、遺跡の学術的解明と保存管理計画策定のための基礎資料を得るための調査を開始しました。
昭和50年代に入ると、県内各地で大規模な発掘調査が行われるようになり、同時に埋蔵文化財保護の中心的役割を果たす機関が必要になってきました。そのため払田柵跡調査事務所開設以来、縁の深かった仙北町の払田柵跡の隣接地に埋蔵文化財センターが開設されました。