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休館日: 12/28~1/3, 成人の日, 建国記念の日(2/11), 春分の日
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よくある質問 Q and A

秋田県埋蔵文化財まいぞうぶんかざいセンターについて

Q. 「埋蔵文化財まいぞうぶんかざい」とは何ですか?
遺構いこう」や「遺物いぶつ」のことを埋蔵文化財といいます。

  遺 構:むかしの人々の生活のあと。石器製作せいさく跡、建物跡、井戸跡、城跡など。
  遺 物:むかしの人々が使用した道具。石器、土器、木器、金属器など。
  むかし:およそ23,000年前の旧石器時代きゅうせっきじだいから近現代きんげんだいまでをします。


 遺構、遺物は、地中にまった状態じょうたいで見つかる文化財であることから、埋蔵文化財とばれています。また、埋蔵文化財が見つかる土地のことを「遺跡いせき」といいます。
Q. 「秋田県埋蔵文化財まいぞうぶんかざいセンター」では、どんな仕事をしているのですか?
秋田県内にある遺跡の発掘調査はっくつちょうさを行っています。
 工事が行われる場所に遺跡がある場合、工事の前に遺跡の発掘調査をしてからでないと道路やダム、堤防ていぼうなどを作ることができません。地中に埋まった遺構や遺物は、発掘調査で慎重しんちょうに土をり下げて見つけ出します。見つかった遺構や遺物は、図面や写真などにくわしく記録された上で、保管ほかん収蔵しゅうぞうされています。
 埋蔵文化財センターでは、発掘調査で記録した遺構や遺物の図面や写真などを、発掘調査報告書はっくつちょうさほうこくしょにまとめる仕事をしています。また、見つかった遺構や遺物について、学校のセカンドスクールや出前授業で活用かつようしたり、県内各地で展示てんじしたりすることで、埋蔵文化財の面白さ、大切さを普及ふきゅうする活動もしています。
 発掘調査は、工事で遺跡がなくなった後でも、そこでむかしの人々がどんならしをしていたのかを未来の人々に伝えていくために、全国各地で行われています。
Q. センターを見学することはできますか?
 はい、できます。
 センターには「特別展示室」があり、発掘調査で出土した土器・石器などをたくさん展示しています。見学は無料です。土・日曜も見学できます。
 展示室以外にも遺物の復元・作図など、センターの普段の仕事の様子を見学したい場合は、あらかじめお問い合わせください。
Q. センターを利用するにはどうしたらよいですか?
 センターでは、体験学習、展示室や整理作業などの見学、発掘現場での体験発掘や発掘調査の見学に対応たいおうしています。
 また、センター職員が学校や公民館などに出向き、考古学に関する出前授業や講座こうざなどを行っています。
 くわしくは、「利用案内」のページをごらんください。

遺跡・遺物いせき いぶつについて

Q. 私の住んでいる地域にも遺物の出る場所や遺跡はありますか?
 はい、あります。
 秋田県内では、今のところ、約5,200か所の遺跡が確認かくにんされています。あなたのお家のまわりにもむかしから人が住んでいたはずです。遺跡数は増え続けていますので、あなたの住んでいるところの近くにも、土器や石器が落ちているかもしれません。
 これまでに発見された遺跡は「秋田県遺跡地図情報 」に掲載されています。

 注意ちゅうい】 他人の土地へ立ち入ったりしないようにしましょう。
Q. 遺跡の時代はどうやって調べるのですか?
 土器や石器の形状の特ちょうから、どの時代に作られたものかがわかります。

 また、遺跡から発掘された有機物ゆうきぶつの中に含まれる放射性炭素ほうしゃせいたんその量を測定することで、その年代を推定する放射性炭素年代測定法ねんだいそくていほうがよく用いられています。これらの方法を組み合わせることで、より正確な時代の推定が可能になります。
Q. 発掘した遺物や遺跡からどのようなことが分かるのですか?
 むかしの人がどんな暮らしをしていたのか、どうやって人をほうむっていたのか、どんな祈りをしていたのかなどなど、いろんなことを知りたいと思っています。
 たとえば、縄文時代の村には、広場の中央におはかがあって、その周りを家がドーナツのわっかのようにめぐる形のものがあったりします。
 ちょっとむずかしいかもしれませんが、そこには、縄文人の「生」と「死」の考え方【墓地ぼち(死の世界)を中心に家(生の世界)が囲むという世界の見方】が、今の私たちとちがっていたかもしれないというとことを教えてくれます。

 また、産地が限られているモノ(新潟県のヒスイ、岩手県のコハク、男鹿や全国各地の火山で出来る黒曜石こくようせきなど)が遺跡から出土すれば、遠く離れた地域の人と交流や交易こうえきをしていたことも分かります。
 たとえば、秋田県内の遺跡からヒスイやコハク、北海道や長野県の黒曜石でできたヤジリなどが見つかったり、秋田県産のアスファルト(縄文時代には接着剤せっちゃくざいに使われていました)や黒曜石(男鹿や田沢湖で拾えます)が県外の遺跡で見つかったりしています。

 遺跡を掘れば、私たちの知らない世界がむかしの秋田にあったことが分かってきます。それはとても興奮こうふんする、楽しい冒険ぼうけんです。
Q. 発掘が終わったあと、土器や石器などの出土遺物はどうなるのですか?
1.遺物をきれいに洗い、汚れやさびなどを取りのぞきます(洗浄せんじょう作業)。
2.遺物の種類や状態じょうたい、出土した場所などを記録します(注記ちゅうき作業)。
3.出土した遺物を土器や石器などの種類ごとに分けます(分類ぶんるい作業)。
4.破片はへんをつなぎ合わせ、遺物を元の形に復元ふくげんします(復元ふくげん作業)。
5.復元された遺物をきちんと測り、正確な図面をつくります(図化ずか作業)。
6.遺物の写真をります。
7.遺物の特ちょうや使い方、作り方などをくわしく調査します。
8.発掘調査の成果をまとめた報告書ほうこくしょを作成します。
9.遺物を保存するために、適切てきせつな方法で大切に保管ほかんします。
10.遺跡の所在地である市町村などで展示するなど、遺物が出土した地元での活用も行われます。県内外の博物館や資料館への貸し出しも行っています。

発掘はっくつについて

Q. 発掘はっくつってどんなことをするのですか?
 発掘とは、遺跡を掘り起こして、見つかった遺構や出土した遺物を調べることです。遺跡を発掘することによって、むかしの人々の生活や文化、技術、考え方などについて知ることができます。
Q. どんなものが発掘されているのですか?
 考古学こうこがくは「むかし」の人がどんなくらしをしていたのか、どんな文化があったのかをさぐる学問です。ここでいう「むかし」は、人類が誕生した「旧石器時代」から、皆さんが歴史の勉強を始めた一番最初に習った「縄文時代」、そのあとの「弥生時代」や「古墳時代」からずっと続いて、最近では第二次世界大戦中の遺跡まで発掘してます。
 
 具体的ぐたいてきには、次のようなものがあります。

・住まい(「竪穴建物たてあなたてもの」や「掘立柱建物跡ほったてばしらたてものあと」)
・いろいろな時代の村(時代によっていろいろな種類があります)
・貝塚(子吉川と芋川の合流点には9,000年前の菖蒲崎貝塚しょうぶざきかいづかがあり、秋田県では9か所見つかっています。)
・縄文人が木の実などの食糧しょくりょうを保管する貯蔵穴ちょぞうけつ
環状列石かんじょうれっせき鹿角かづの市の大湯おおゆ環状列石と北秋田市の伊勢堂岱いせどうたい遺跡の環状列石は世界文化遺産せかいぶんかいさんになりました)
・お墓(エジプトではピラミッドや、秋田にはないけれど「前方後円墳ぜんぽうこうえんふん」なんかもあります)
・動物を取るための落とし穴
・お城
・城下町
・土器を焼いてつくるかまや、海水を煮詰めて塩を作る
・鉄を作る製鉄炉せいてつろや刀などを作る鍛冶かじ場などなど、生活に関係するあらゆる痕跡こんせき
 
 また、出土品(遺物いぶつ)には、たとえば次のようなものがあります。

・石器(やじり、やり、ナイフ、きりなど)
・土器(縄文土器、弥生土器など)
・骨や角で作られた釣り針や人形など
土偶どぐう(粘土で作られた人の形をしたもの)
古銭こせん(むかしのお金)
・刀やよろいなどの武器、武具
・水晶や黒曜石こくようせき、ヒスイなどの光る石(アクセサリーやお祈りの道具にしていたようです。)
 
 まだまだたくさん、いろいろなものがあります。
Q. 発掘のしかたを教えてください。
1.むかしの地面の上に積もった表面の土を取りのぞき、むかしの地面の表面までり進めます。むかしの地面の上面じょうめんを平らにけずっていきます。すると、遺構のところがまわりと色が違って現れてきます。
2.遺構の形を確かめ、建物や道路、井戸など遺構の種類を確認して発掘します。
3.出土した土器や石器、骨などの遺物を回収かいしゅうします。
4.遺構の形状や大きさをはかります。
5.発掘作業の進み方や遺物の出土状況しゅつどじょうきょうを記録します。
6.遺物を分析ぶんせきし、遺跡の時代やくらしなどを推定すいていします。
7.遺物の保存や、遺跡の埋めもどし、報告書の作成などを行います。
Q. 発掘ではどんな種類の道具を使っているのですか?
・発掘のさまざまな場面によって、いろんな道具を使い分けています。
・発掘の一番最初は、遺跡の表面の土を取り除きます。そのときは、スコップをつかっての人力作業の他、パワーショベルなどの機械を使うこともあります。
・写真にあるように、家で見たことがある道具もありますよね(おたまやスプーンなど)。どんな場面で使うのか想像してみましょう。
・発掘専用の道具があるわけではありません。中には、自分たちで工夫して、新しい道具を作ったりもします。

くわしくはこちら
Q. 遺跡がある場所に特徴とくちょうはあるのですか?
 人が生活していた場所が遺跡です。生活していく(人が生きていく)上で必要なのは「水」です。遺跡は水を得ることが簡単な川の近くで多く見つかります。川がすぐ近くだと、大雨が降って洪水になったら村は水びたしになってしまうので、少し高い場所でより多く見つかります。
 ほかにも遺跡の種類によって、都合の良い土地を選んでいます。たとえば、塩作りの遺跡なら海のそば、守りを固めたいお城は山の上などです。
Q. 発掘中に気をつけていることは何ですか?
 発掘現場は危険がいっぱいあるため、まずは事故が起こらないように気をつけています。たとえば、機械を使ったり、深い穴を掘ったりしますので、細心の注意をしなければなりません。また、雨や炎天下(えんてんか)の暑い日の作業も危ないので、休みを取りながら安全に発掘します。
 そうした作業の安全面とは別に、むかしの人が残した跡を見逃さないように、注意深く発掘します。
 たとえば、竪穴建物(たてあなたてもの)囲炉裏(いろり)の中にある、1cmに()たない小さな炭のカケラ(人が生活すると火を使いますので、かならず炭が見つかります)は、分析すれば何年のものかが分かります。そうすれば、竪穴建物の年代が分かります。また、地面に掘られた穴の底に、赤い粉がポツポツと見つかることがあります。それがベンガラ(酸化第二鉄(さんかだいにてつ))だったりすると、遺体(いたい)の頭部にそれをふりかける埋葬(まいそう)儀礼(ぎれい)の一つと考えられていて、その穴はお(はか)だということが分かったりします。地面にかくされたむかしの人のメッセージを注意深く発掘して、見逃さないようにしています。
Q. 発掘調査の現場を見学することはできますか?
 はい、できます。
 ただし、現場によっては危険箇所きけんかしょ(深掘り、沢など)があるため、安全面から現場への立ち入りをお断りする場合がありますので、事前に発掘調査現場事務所、または埋蔵文化財センターまでお問い合わせください。
Q.発掘調査の成果を教えてもらうことはできますか?
 子どもたちには学校などを通して行うセカンドスクールや出前授業でまえじゅぎょう・オープンラボなどで伝えます。
 大人向けには、講座やセミナー、遺跡見学会などを行っています。特に3月には、写真や図を用いて、発掘調査の成果についてわかりやすく説明する「埋蔵文化財発掘調査報告会」を開催しています。
 また、収蔵しゅうぞう・保管してある遺物を展示したり、貸し出したりしています。

問い合わせ先
秋田県埋蔵文化財センター
〒014-0802 秋田県大仙市払田字牛嶋20番地
電話:0187-69-3331 FAX:0187-69-3330
E-mail : maibunweb@mail2.pref.akita.jp