開館時間: 9:00〜16:00
休館日: 12/28~1/3, 成人の日, 建国記念の日(2/11), 春分の日

いせきのおはなし

  •  大昔おおむかし(おおむかし)、日本のほとんどの人は、地面に穴を(ほ)って建てた「竪穴建物たてあなたてもの(たてあなたてもの)」という家に住んでいました。そして穴を掘って食べ物を(た)めたり、火を(た)くために石を積んだりして生活のために使っていました。

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  •  人が生活したあとは、人がいなくなると長い年月をかけてだんだん(う)まっていきました。このような人が生活したあとのことを「遺構いこう(いこう)」と言います。埋まったあとに、ふたた(ふたた)び人がやってくることもありました。

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  •  人は生活するためにいろいろな道具を使います。道具は、使った場所や(す)てられた場所に残されます。こうして残された道具のことを、「遺物いぶつ(いぶつ)」と言います。

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  •  「遺構いこう(いこう)」や「遺物いぶつ(いぶつ)」がある場所のことを「遺跡いせき(いせき)」と言います。地中には、こんな遺跡がたくさんねむ(ねむ)っているのです。

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  •  畑をたがや(たがや)したり、家を建てたりするために地面を掘ると、地中でねむ(ねむ)っていた遺物いぶつ(いぶつ)が見つかることがあります。多くの遺跡いせき(いせき)は、遺物が見つかったために、発見されました。発見された遺跡の場所は「遺跡地図いせきちず(いせきちず)」にしめ(しめ)されます。

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  •  多くの遺跡いせき(いせき)は、地中に(う)まったまま保存ほぞん(ほぞん)されています。そのため、遺跡地図を見ないと遺跡だと分からない場所もたくさんあります。道路や建物をつくりたい場合には、注意が必要です。工事をする予定の場所に、遺跡があるかもしれないからです。

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  •  もし、遺跡いせき(いせき)であることに気づかなかったり、気づいても何もせずに工事をしてしまうと大変です。出来上がった道路や建物は、末永すえなが(すえなが)くみんなの役に立ちますが、その場所がどんな遺跡だったのか、永久えいきゅう(えいきゅう)に分からなくなってしまいます。

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  •  工事をしたい場合には、まず工事をする予定の場所に遺跡いせき(いせき)があるかどうかを調べます。そして遺跡があったら、県や市町村の教育委員会きょういくいいんかい(きょういくいいんかい)と工事主が話し合って、どうやって遺跡を守るか考えます。
     遺跡を守る方法としては、

     工事の計画を変更へんこう(へんこう)して、道路を作る場所を変えたり…
  •  道路を作る方法を工夫くふう(くふう)したり…
     慎重しんちょう(しんちょう)に工事したり、簡単かんたん(かんたん)記録きろく(きろく)を取ったりします。
  •  けれど、どうしても遺跡いせき(いせき)が大きくこわ(こわ)れてしまう場合には、県や市町村の教育委員会きょういくいいんかい(きょういくいいんかい)が遺跡の記録きろく(きろく)のこ(のこ)します。このように、工事の前に行われる発掘調査はっくつちょうさ(はっくつちょうさ)を「緊急調査きんきゅうちょうさ(きんきゅうちょうさ)」と言います。 この他、保存ほぞん(ほぞん)公開こうかい(こうかい)のための「学術調査がくじゅつちょうさ(がくじゅつちょうさ)」が行われることもあります。

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  •  発掘調査はっくつちょうさ(はっくつちょうさ)は、主に春から秋の間に行われます。遺構いこう(いこう)がある位置いち(いち)まで土を(ほ)って、たい(たい)らにけず(けず)ると、遺構の形が見えてきます。

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  •  遺構いこう(いこう)を部分的に(ほ)って、(う)まっている土の様子を観察かんさつ(かんさつ)したり、遺構の形を写真や図面で記録きろく(きろく)をとったり、むかし(むかし)の人が何をしたあとなのかを調べます。時には、遺構の下にもっと昔の遺構が見つかることもありますが、すべて記録して、遺物を回収かいしゅう(かいしゅう)します。

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  •  むかし(むかし)の様子がよくわかる遺跡であれば、「遺跡見学会いせきけんがくかい(いせきけんがくかい)」を行って、たくさんの人に遺跡を見てもらいます。 そして遺跡の記録をすべて取り終わってから、工事を始めます。

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  •  遺跡いせき(いせき)で工事が始まってもまだ終わりではありません。遺構いこう(いこう)の記録を整頓せいとん(せいとん)して、回収かいしゅう(かいしゅう)した遺物いぶつ(いぶつ)修復しゅうふく(しゅうふく)し、図にします。そして、遺跡の様子をまとめた「報告書ほうこくしょ(ほうこくしょ)」を作ります。

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  •  この報告書ほうこくしょ(ほうこくしょ)によって、遺跡いせき(いせき)で工事が行われた後も、どんな遺跡だったのかをだれ(だれ)でも知ることができるようになります。

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  •  埋蔵文化財まいぞうぶんかざい(まいぞうぶんかざい)センターには、このように整頓せいとん(せいとん)された報告書ほうこくしょ(ほうこくしょ)遺物いぶつ(いぶつ)遺跡いせき(いせき)の記録がたくさん保管ほかん(ほかん)されています。そして、これらをたくさんの人に見てもらえるよう、さまざまな活動を行っています。

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  •  埋蔵文化財まいぞうぶんかざい(まいぞうぶんかざい)センターで毎年行っている「発掘調査報告会はっくつちょうさほうこくかい(はっくつちょうさほうこくかい)」では、その年に発掘調査をした成果せいか(せいか)を発表したり、遺物いぶつ(いぶつ)展示てんじ(てんじ)したりしています。
     また、学校に(む)けて、遺物いぶつ(いぶつ)(か)し出したり、出前授業でまえじゅぎょう(でまえじゅぎょう)を行ったりしています。
  •  こうして発掘はっくつ(はっくつ)された遺跡いせき(いせき)は、たくさんの人に歴史れきし(れきし)を教えてくれる手がかりとして活用かつよう(かつよう)されています。まだ発掘されていない遺跡も、歴史の手がかりをたくさん(ひ)めています。こうした歴史の遺産いさん(いさん)を、みんなで大事にしていきましょう。

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問い合わせ先
秋田県埋蔵文化財センター
〒014-0802 秋田県大仙市払田字牛嶋20番地
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