このページでは、平成19年度に当センターを訪れていた甘粛省文物考古研究所の趙呉成さんの秋田県での活動の様子を紹介します。
交流員紹介
趙建龍 Zhao Jian Long | |
甘粛省文物考古研究所 史前室主任 | |
発掘調査・整理作業の方法や秋田の伝統文化・自然について学びたいです。 | |
秦安大地湾遺跡・礼県高寺頭遺跡・蘭州市紅古区下海石遺跡など | |
業務の内容 |
発掘調査・整理作業・報告書執筆など |
これまでの研修内容
7月5日 |
蘭州市より北京・東京を経由して、午後7時に秋田空港に到着しました。 |
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7月9日 |
趙さんが、センターに初出勤しました。 リラックスした様子で、センター職員みんなの前、笑顔で挨拶をしてくれました。 |
7月11日 |
県教育庁表敬訪問・記者会見 この日、お昼には秋田県教育長への表敬訪問と記者会見がありました。 |
7月20日 |
甘粛省交流員歓迎会 夕方には県文化財保護室主催の歓迎会が催されました。 県立博物館の尤宝銘交流員とも久々の再会です。 途中、元県交流員との中国式ジャンケンなどが飛び出し、大変盛り上がりました。 |
7月23日 |
遺物の洗浄作業に参加 当センターの目の前にある国指定史跡払田柵跡では、今年も学術調査が行われています。 本日は、払田柵跡から出土したばっかりの土器や石器を洗浄する作業に参加しました。 甘粛省よりも脆い古代の土器を手に、慎重に作業を進めました。 |
7月25日 |
縄文発見・ワクワク体験に参加 センター主催の「縄文発見・ワクワク体験」に参加しました。 小学生や中学生が勾玉を作る姿をほほえましく見ながら、甘粛省ではこうした教育普及活動がまだなされていないので、大変参考になるとのことでした。 |
7月30日~8月3日 |
遺跡の整理作業に参加 埋蔵文化財センターで行っている釈迦内中台Ⅰ遺跡の整理作業に参加しました。土器の復元と実測、拓本、炉壁の接合、石器の実測について、日本式の方法を研修しました。中国と同じところよりも、違うやり方に大変興味があるようで、熱心に学んでいました。 整理作業員から実際の作業を教わりながら、和やかな雰囲気で楽しく交流し、徐々に日本語(秋田弁?)にも慣れてきました。 |
8月6日~8月10日 |
払田柵跡の発掘調査に参加 払田柵跡調査事務所で行っている国指定史跡払田柵跡の発掘調査に参加しました。途中から県立博物館で受け入れている尤 宝銘交流員も合流し、甘粛省の発掘とひと味違った日本の発掘方法を学びました。趙交流員は、「中国と違って日本の発掘方法は精密で、非常に細かいところまで観察して調査を進めている」との感想を述べていました。 |
8月7日 |
県立近代美術館・農業科学館を視察 県南部の文化施設視察ということで、県立博物館の交流員の尤 宝銘さんも一緒に県立近代美術館と県立農業科学館に行きました。 近代美術館ではちょうど「描かれた秋田展」を開催中で、それをじっくり見学したあと、特別に収蔵庫まで見せて頂きました。徹底的に管理された収蔵庫に感心していました。 農業科学館でも、収蔵庫を見せて頂き、昔の農耕具や生活用品を見学し、雪国秋田に生きた人々の知恵と工夫に感嘆していました。 |
8月13日 |
県指定史跡一丈木遺跡(美郷町)を視察 埋蔵文化財センターから近い一丈木遺跡を見学しました。復元住居をみて、「縄文時代は本当に植物質のもので屋根を葺いていたのでしょうか。日本のように台風や雨が多いところだと、モンゴルのパオみたいに、動物の皮を利用していたんではないでしょうか。」と、考えを巡らせていました。また、中国では、遺跡は集約的な遺跡群の様相を呈しますが、秋田県のこの地域はまばらに分散しているようだとの印象を持たれたようです。 |
8月14日 |
重要文化財古四王神社見学会(大仙市)に参加 国重要文化財の古四王神社で開催された見学会に参加しました。感想は以下の通り。 「神社の規模は小さいですが、中国の木造建築の方法を多く取り入れているようですね。ただ、中国では力学的な原理と方法により、日本の神社のようには多くの木材を使うことはありません。古四王神社は古建築の風情をよく残しています。中国の寺院と比較して、木材を大量に使うことが日本の木造建築の特徴なのでしょうね。」 中国の西北地区では木材が少ないので、木材をふんだんに使っている点がとくに印象に残ったのでしょうか。 |
9月25日~9月28日 |
森吉山ダムの発掘調査に参加 森吉山ダムの発掘調査研修に参加しました。払田柵跡とはひと味もふた味も違う、縄文時代の一大遺跡群を目の当たりにして、非常に驚きました。興味津々です。 当センター北調査課ではパソコンを使用したデジタル・トレースの研修もあわせて行い、「ぜひ、マスターして中国で使えるようにしたい」と意気込んでいました。 |
10月3日~10月6日 |
北海道・青森県の文化財関連施設視察研修 北日本の歴史と文化を研修するため4日間の日程で、北海道・青森県の博物館や史跡、遺跡の発掘調査現場等を視察しました。 自分の知っている日本とはちがった歴史や文化を学べて非常に有意義でした。 秋田では見られない風景にも満足。 |
10月15日 |
栗駒に紅葉を見学 甘粛省交流員はみんな 日本の紅葉が大好き 色とりどりの山に ただただ感動! |
10月30日 |
講演会の準備 最近は、講演会の準備に忙しい日々を送っています。 新石器時代の専門家として、どうやって講演すれば秋田の人たちに興味を持ってもらえるだろうか? 色々な写真を用意して構成を工夫したりしています。 |
10月31日~11月2日 |
県立博物館での研修 3日間の日程で、県立博物館での研修を行いました。 とてもいい環境で、とくに青少年の教育の場として創意工夫が凝らされていてとても勉強になるとのことでした。 別館の奈良家住宅のような公開展示にも感心していました。 時間は余りありませんでしたが研究面だけでなく教育面にも力を入れている秋田県の博物館活動についてしっかり学べたようです。 |
1月5日 |
緊急帰国 日本のお正月をのんびり味わった趙さんですが、1月2日にお父さんが急逝され、5日に緊急帰国となりました。 まだまだ秋田でしたいことがたくさんあったのですが、秋田の皆さんに受けたご親切は忘れないとのことでした。 秋田はとても色彩にとんだすばらしい県で、こうした土地で6か月間にわたって研修できたことに感謝しますとのことでした。 |