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発掘調査 最新情報

第159次発掘調査

調査地
大仙市払田字仲谷地
調査の目的
外柵がいさく域南部の遺構・遺物の分布状況及び遺構の変遷を把握する。
調査期間
令和7年6月2日~8月1日
調査面積
103.5㎡
検出遺構
盛土整地地業1か所、外柵材木塀跡角材列1条、土坑1基、河川跡3条
出土遺物
須恵器すえき土師器はじき・木製品・砥石ほか

調査の概要

第159次調査では、第158次調査の成果を受けて二つの課題を設定しました。

<課題1> 第158次調査で確認された南大路おおじ東側に広がるSX2255盛土整地地業(9世紀後半)の南・東端を確認し、整地面上の遺構分布状況を把握すること。

 SX2255盛土整地地業は、第2~4トレンチで確認されました。SX2255盛土整地地業は第2トレンチから南へ3m離れた第1トレンチでは確認されず、両トレンチの間に存在する現代の水路周辺が南端であると考えられます。第2トレンチ南端と第1トレンチ北端では、SX2255盛土整地地業直下のⅣ層上面および地山の標高に14cmの比高が生じています。第2トレンチ側が高く、南側が一段下がるこの地形は、SL2271河川跡に由来するものとみられます。払田柵跡の創建以前にSL2271河川は既に埋没していたものの、周囲より低い地形となっていたと想定されます。そのため、降水時に水が溜まりやすい等土地利用の制限があり、第1トレンチ側すなわち外柵の南側へSX2255盛土整地地業が大きく広がらない要因となった可能性を考えておきたいと思います。
 第3トレンチでは、SX2255盛土整地地業が西に行くほど厚く、東に行くにつれ薄くなります。それに伴って、地山の標高も西側が低く東側が高くなっており、調査区全体が東から西へ緩やかに下がって行く地形となっています。盛土整地は調査区東側のⅣ層および地山土を削平し、標高の低い西側を埋め立てる形で行ったものと考えられます。

 SX2255盛土整地地業の北端は、第157次調査の土層から、復元河川の周辺と考えられます。西端は第158・159次調査第2トレンチより西側と考えられますが、既に復元整備が完了していることから新たな調査が難しく、外柵南門および推定南大路との関係も確認できていません。盛土整地地業が確認された微高地の東側には、河川跡および低湿地が広がっていることが予想されるため、この微高地全体を利用するために盛土整地が行われた可能性が高いと考えられます。しかし、今回の調査区内では、盛土整地面を掘り込む明確な古代の遺構は確認されませんでした。盛土整地後に構築された建物等の遺構が存在するならば、SX2255盛土整地地業中心部である可能性が高いと思われます。

南大路東側の地形図
図1.南大路東側の地形図

画像クリックで拡大できます。

<課題2> 外柵の内側と外側における遺構・遺物分布状況の相違の有無を確認し、外柵放棄前後の場の使われ方の変遷を把握すること。

 今回SX2255盛土整地地業以外に検出された古代の遺構は、SX2255盛土整地地業下から検出された外柵材木塀跡のSA2264角材列とSK2259土坑どこうのみです。外柵の外側ではSL2268・2269・2271河川跡が検出されていることから、外柵の外側一帯は氾濫原あるいは低湿地であったとみられます。現段階では盛土整地後の遺構は検出されておらず、9世紀初頭の創建から終末期の10世紀後半にかけて、外柵周辺およびその外側のエリアは積極的な土地利用がされていなかったと考えられます。
 SL2269河川跡下層からは、9世紀~10世紀前葉の須恵器や土師器とともに、木製品や木屑・端材も多量に出土しました。河川跡内の埋土が泥炭質の粘土層であることから、これらの遺物が上流から流されてきたとは考えにくく、この場所で廃棄されたものとみられます。SL2269河川跡から出土した木屑・端材が9世紀初頭の外柵造営に関わるものと断定できる共伴遺物は出土していませんが、9世紀~10世紀前葉にかけて、この周辺で木材加工が行われていた可能性が高いと考えられます。SL2269河川跡は第1トレンチ内では確認されておらず、第1トレンチ南側へと続くと考えられます。外柵外側の土地利用状況から、SL2269河川跡が払田柵跡における遺構分布の南限である可能性があります。

 以上のように、SX2255盛土整地地業は南端が外柵外側の地形に制限されており、おおむね推定南大路東側の微高地周辺に広がることが明らかとなりました。微高地の地山傾斜から、標高の高い東側を削平し、西側を埋め立てる形で盛土整地を行った可能性が高いと考えられます。また、外柵の外側には河川敷あるいは低湿地が広がっており、遺構の分布がほとんどみられないことから、積極的な土地利用はされていなかったことが確認されました。

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