絵本と子育て [167KB]

2.家庭での絵本の読み聞かせ

 家庭での絵本の読み聞かせには、いくつか親に知っておいて欲しいことがあります。
 

(1)図書館の利用

 絵本の読み聞かせと聞くと、すぐに絵本を買って読んであげると考える親がいるのですが、最も好ましい絵本の使い方は図書館から借りて読んであげることです。絵本についての知識が全く無くても、図書館へ行って、自分の子どもの年齢(月齢)と性別を言えば、司書の先生が選んで貸して下さるはずです。
 
 この方法の利点は、子どもが喜んで「もう一回、もう一回」とせがんだ絵本は次回も借りることとし、喜ばなかった絵本は次回は別の絵本と交換することです。そして、子どもが喜んで十八番になった絵本だけ、許される家庭では購入しても良いでしょう。この家庭の文庫は、子どもが絵本を通して目を輝かした歴史であふれているはずです。

 

 

(2)育児・子育てサークルの活用

 どんな絵本が今の自分の子どもの読み聞かせに合うかは、育児・子育てサークルを通しても知ることができます。普通、ここでは2~3冊の絵本の読み聞かせがあるので、この年齢の子はこんな絵本を喜ぶのだなと知ることができます。それに合わせて図書館で借りることもできるでしょう。もちろん絵本を紹介するたくさんのリーフレットもありますから、それも合わせて参考にしましょう。

 絵本と子育てイラスト

 

 親の絵本に対する具体的な小さな知識の広がりと活用方法の積み重ねがないと家庭での読み聞かせはおざなりになり、親の方も疲れてくるかもしれません。親は自分で学び、子どもから教えられながら、いつも知識においても読み聞かせの技術においても新鮮であることが要求されます。

(3)読み聞かせの基本

1)どのように読み聞かせをするか。
 ○抱っこしての読み聞かせ
 ○添い寝しての読み聞かせ
 ○テーブルを使い、横に並んでの読み聞かせ
 ○お座りをさせて、向かい合っての読み聞かせ

次に、親からの質問が多いものを紹介します。
2)どのように読めばよいか。
  普通、書いてある通りに読みます。

3)小さい子で、読んでいる間に飽きてしまう子にはどうしますか。
  特に短い文で書かれた絵本を用意します。(赤ちゃんの絵本が中心です。)

4)子どもが長い文の絵本を持ってきたら?
  年齢や月齢にあった絵本と取り換えられるようだったら、取り替えて読み
 聞かせをします。その方が子どもに合っているからです。
  しかし、子どもが頑固に自分が持ってきた長い文の絵本を読むように要求
 したら、それはたいてい第一反抗期(いや・だめ期)の発達ですから、子ども
 の注意の集中力と言葉の理解の発達の程度に合わせて、絵本の絵を解説する
 読み方をします。(この読み方は「見せ語り」と言われます。)

5)文字がない絵ばかりのページはどうしますか。
  子どもが絵本の読み聞かせに慣れてくると、絵に描かれている細部も見て
 読みとれるようになります。だから、絵だけのページでもしっかり見せまし
 ょう。
  文字が書かれていないが、説明した方が良い場合は、短い言葉の説明をつ
 けて構わないでしょう。

6)子どもが自分でページをめくりたがったら、どうしますか。
  めくろうとする子の手をそのまま押えて「待ってね。」と言い、そのペ
 ージを読み終わってから「めくっていいよ。」と言って、子どもにめくら
 せます。それを繰り返しているうちに、子どもは(ママが読み終わるとめくら
 せてもらえるんだな)と分かってきます。

7)小さい子が一人で絵本を逆さに見ているときは、どうしますか。
  逆さに見て平気な時がありますが、絵本は、おおよそ2歳を過ぎると逆さ
 に見ることはなくなります。もっと小さい子が逆さに見ている時は、黙って
 絵本を正しい見方に直してあげましょう。

~つづく