秋田市上新城 

山と田園に囲まれた上新城地域。地域中心を流れる新城川は、古くから農耕を支えてきた命の川。

昭和38(1963)年に生まれた「上新城音頭」。郷土の文化を後世伝えようと上新城地区振興会が中心となり記録にまとめている。

縄文時代の遺跡や中世の館跡、寺社仏閣や庚申塔などの史跡旧跡が多く残っている。

遊歩道が整備された大滝山自然公園にある、迫力満点の道川大滝。

地域のあらましと歴史

 秋田市北部に位置する上新城地域は、北東に標高700m級の深い緑の森と、そこから下る豊かな水が田畑を潤す、のどかな農村地帯を形成しています。
 また新城川の上流に位置し、大滝や道川大滝がある大滝山自然公園が存在しています。
 地域には、「上新城中学校遺跡」を中心とした縄文時代晩期の遺跡群があり、海からも近く、山や川に資源がある上新城は縄文人にとって住み良い土地であったようです。
  鎌倉期には「沢内(さわのうち)」、江戸中期に「新城」と呼ばれていて、「六郡山川記」のなかに「秋田郡新城之荘には田畑が多くあって、港にも近く佳き地なり」と記されているように、城下の村々は「新城之荘」と呼ばれていました。
 また、遺跡や史跡旧跡などをひも解くと歴史的にもたいへん興味深い地域で、神社仏閣の名残が多くあり、「唐櫃石(からといし)の秘宝」、「消えた春子姫」、「阿彦館の黒染めの桜と阿彦沼の浮島」などの伝説が語り継がれるように歴史の記憶が漂っています。
 数年前からは「地域の歴史と文化、人々の暮らしの記録」を保存し継承するための事業に上新城地区振興会が中心となって取り組んでいます。



アクセス

関連記事

縄文時代晩期の遺跡

 上新城地域には、縄文時代晩期の遺跡が密集しています。その中でも、「上新城中学校遺跡」は秋田市北部を流れる新城川上流域の右岸に形成された河岸段丘のうち、最も低い面に立地する縄文時代晩期の集落遺跡です。溝(柵木烈)が周る...

歴史

地域の歴史

史跡

上新城地域の「庚申塔(こうしんとう)」

   上新城地域では、あちこちの路傍に「庚申塔」が置かれているのが見られます。 「庚申塔」は中国より伝来した道教に由来する庚申信仰に基づいて建てられた石塔のことです。「庚申講」(人間の体内にいるという三尸⦅さんし⦆とい...

歴史

史跡

神社・寺

上新城音頭

 「上新城音頭」の唄は、昭和38(1963)年に生まれました。くしくも東京オリンピックの「東京五輪音頭」が日本中で歌われていた時期です。翌39(1964)年に振り付けが完成し、小学校の運動会や体育会で地域の婦人会の皆さんや生徒の父...

地域活動

地域団体

伝統継承

道川神社

 「道川神社」は、秋田市上新城道川字相染の山地内にあります。江戸時代には真言宗「愛染院」があり、「愛染堂」と「不動堂」をお守りしていました。道川神社の呼称ならびに祭神などは明治4(1871)年の神仏分離令により変化して...

歴史

神社・寺

日徳山 昌東院(にっとくさん しょうとういん)

   安土桃山の時代(1576~1600年)に上新城湯ノ里にあった天台宗の寺院を、 量外正寿(りょうがいしょうじゅ)が臨済宗妙心寺派の寺院として改宗開山され、その後、大悲寺三世奇峰玄高の法嗣(師の教えを受け継いだ人)・竹峰玄...

歴史

神社・寺

龍峯山 梅林寺(りゅうほうざん ばいりんじ)

 お寺に伝わる「杢之助系図書写並記録」などによれば、岩城館主・佐藤出羽守源綱善が戦国時代の弘治3(1557)年、安東愛季(ちかすえ)に攻められ、名を杢之助(もくのすけ)と改めて仏門に入り、当時の上虻川(昭和町)の長福寺で仏...

歴史

神社・寺

新城地域の窯跡

 「秋田城」は、奈良時代に造られた日本最北の古代城柵で、当時の律令国家が東北地方各地に支配拠点として置いた大規模な地方官庁だったと言われています。秋田城出土木簡(※)からは、上野国(こずけのくに)からの進上木簡が多く見ら...

歴史

地域の歴史

史跡

大滝山自然公園

   「大滝山自然公園」は、上新城道川字大滝・イブリ沢地区にあり、市中心部から北東約8キロメートルと恵まれた位置にあります。 標高206mの大滝山に散策路や炊事場を整備し、他にピクニック・キャンプエリア、トイレ、遊水路...

自然・施設

花・樹木

農家民宿「重松(じゅうまつ)の家」

 秋田市で第1号の農家民宿としてオープンした「重松の家」。オーナーは、広大な田園風景に囲まれた小又(おまた)地区で専業農家として暮らす、気さくな佐藤祐子さんと重博さんご夫婦です。  気負わずにゆっくり滞在できて、季...

自然・施設

体験施設

その他

民泊施設「みんなの実家 門脇家」

   秋田北インターチェンジから車で数分の位置にある「みんなの実家 門脇家」。令和元(2019)年にオープンした民泊施設で、宿泊スペース(和室5部屋、洋室4部屋)のほか、イベントルームやステージなどの貸スペースも備えています...

自然・施設

体験施設

その他

中世の城館「小友館(おともかん)」と「岩城館」

 秋田市の上新城地域には、中世(平安時代末~室町時代)の山城(館跡)が多く残っています。その中でも大きな存在感を示したのが「岩城館」と「小友館」です。  建保7(1219)年、鎌倉幕府3代将軍・源実朝が暗殺され、源氏が途絶...

歴史

地域の歴史

史跡

「花工房Field Canvas(フィールドキャンバス)」

 「花工房Field Canvas」(以下:花工房)は、自家栽培の花材を使用したクラフト制作やワークショップ、お花ままごとの3つを基本に運営している体験型のガーデンです。   運営しているのは、ご実家が花卉栽培を営む石井さん親子です。...

自然・施設

花・樹木

体験施設

小又(おまた)・白山のナマハゲ行事

現在の公民館は、かつて「夜学小屋」と呼ばれており、地主や寺の和尚が農家の師弟や若手の使用人たちを集めて勉強を教える場所でした。使用人たちは、三食のご飯は食べることができるが、お酒を飲む機会はまずなかったそうです。そこ...

伝統行事・イベント

伝統行事

小正月行事

秋田市農山村地域活性化センター「さとぴあ」

   「さとぴあ」は、秋田市が農山村の多様な地域資源を活用して、農業や自然、地域文化などに関する体験学習を通じた農山村地域の活性化を図ることを目的として、令和元(2019)年4月に、旧上新城中学校を再利用してオープンしました。 ...

自然・施設

体験施設