上新城地域では、あちこちの路傍に「庚申塔」が置かれているのが見られます。
「庚申塔」は中国より伝来した道教に由来する庚申信仰に基づいて建てられた石塔のことです。「庚申講」(人間の体内にいるという三尸⦅さんし⦆という虫が、寝ている間に天帝にその人間の悪事を報告しに行くのを防ぐため、庚申の日に夜通し眠らないで天帝や猿田彦や青面金剛を祀り、勤行をしたり宴会をしたりする風習)を3年間18回続けた記念に建立されることが多く、 塚の上に石塔を建てることから「庚申塚」とも言われ、塔の建立に際して供養を伴ったことから「庚申供養塔」とも呼ばれています。
上新城地域では、それぞれの集落の入り口に庚申塔が置かれていることから、その多くが「塞の神⦅さえのかみ⦆」として村の辻の守り神といった道祖神と同じ役割を担ってきたと思われます。その数が多い集落もあり、年に6回あるという“庚申の日”に「庚申講」がごく最近まで行なわれていたことが伺えます。

令和6(2024)年10月掲載
■参考文献
秋田市上新城地区振興会/編 『伝え語り:上新城之物語』
■記事執筆協力
秋田市農山村活性化センター「さとぴあ」
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