秋田市の上新城地域には、中世(平安時代末~室町時代)の山城(館跡)が多く残っています。その中でも大きな存在感を示したのが「岩城館」と「小友館」です。
建保7(1219)年、鎌倉幕府3代将軍・源実朝が暗殺され、源氏が途絶えたことで、各地で地方豪族が蜂起しました。当時の上新城地域は「新城沢内」と呼ばれ、北に「小友館」、西に「岩城館」、東に「館越館」などの山城があり、豪族たちの一触即発の状態でした。
この中で、頭角を現したのが「小友館」を治めた阿部中務小輔久末です。永享6(1434)年、久末は「岩城館」の城主・佐藤出羽守源綱善を攻め、一戦を交えることなく、綱善は城を明け渡したといいます。
阿部氏の居城となった「岩城館」を、人々は畏敬を込め、新しい館の主として「新城の殿」と呼ぶようになりました。城下の村も、いつしか「新城之荘」と言われるようになったそうです。小友館と岩城館は、「新城」の地名の由来とも関わりが深い館跡で、重要な場所でした。
この他にも「春子館」「石名坂館」などの館跡が伝わり、旧上新城中学校グラウンド跡地も「小島館」という館跡があったと伝わります。「小友館」と「岩城館」には標柱が設置されており、上新城地域はもちろん、秋田市内を見下ろすことができます。中世の時代から人々が眺めてきた景色から、上新城の歴史を感じ取ってみてはいかがでしょうか。
令和6(2024)年10月掲載
■参考文献
秋田市上新城地区振興会/編 『伝え語り:上新城之物語』
■記事執筆協力
秋田市農山村活性化センター「さとぴあ
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