「道川神社」は、秋田市上新城道川字相染の山地内にあります。江戸時代には真言宗「愛染院」があり、「愛染堂」と「不動堂」をお守りしていました。道川神社の呼称ならびに祭神などは明治4(1871)年の神仏分離令により変化していきます。

 現在の神社は、明治時代前には「愛染神社」と呼ばれ、淳和天皇(786~840年)の天長年間(824~834年)に慈覚大師円仁(えんにん)が創建したと言われています。後に天徳4(960)年になって秋田市添川字添川の曹洞宗湯沢山乗福寺(秋田市三内の曹洞宗の大寺、補陀寺の末寺)の七世如月和尚によって諸尊が再興されました。
 別当「愛染院」の「愛染堂」が造営されたのは、寛永5(1628)年と伝えられ、神社は享保4(1719)年に鳥居が建立され、同9年には本社が再築され、さらに延享4(1747)年にも再再築されました。「愛染明王坐像」は江戸時代には愛染堂の主尊として、藩主や藩士の尊崇の念も深かったと伝えられています。

 道川神社には、四体の尊像(愛染明王坐像・金剛夜叉明王坐像・不動明王立像・毘沙門天立像)が所蔵されています。いずれも秋田県指定有形文化財となっています。

令和6(2024)年10月掲載


参考文献
秋田市上新城地区振興会/編 『伝え語り:上新城之物語』

記事執筆協力
秋田市農山村活性化センター「さとぴあ」


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