遺跡の概要・調査成果

調査成果 5年計画の歩み

第8次5年計画(平成21~25年度)

平成21年度からは第8次5年計画として、次のような基本計画を立てた。

第7次5年計画(平成16~20年度)では、「払田柵跡の各地区における遺構内容及び場の機能の調査」として、第6次同様の手法を用いて実施した。 その中での重点区は、長森北側、外柵南東部(沖積地)、真山であった。 また、「払田柵跡関連遺跡の現況調査及び情報収集」という史跡外にも視野を広げた計画を掲げ、平成19年度には、横手市雄物川町で試掘調査を実施した。

過去35年間の実績を踏まえ、払田柵跡の各地区における場の使われ方と詳細な遺構内容を把握し、歴史的意義や特色を明確にすることを目指し、第8次5年計画では次の調査を行う。

  • 払田柵跡の各地区における遺構内容及び場の機能の調査
  • 調査対象地区は、払田柵跡内全域ではあるが、特に外柵地区と真山を重点地区として進める。

    • 外柵地区(沖積地・微高地部)の調査
    • 沖積地・微高地部の調査は、外柵南東部を除くとほとんど行われていない。水田として作付けが行われている地区であることから制限されることは多いが、「場の機能」解明のため、地権者の同意を得た上でトレンチ調査を実施する。
      そのなかでも、長森南西側裾部、及び外柵北西部と北東部(本堂城回地区)・南部を重点地区とする。本堂城回地区は、ほ場整備事業に伴う現状変更対応の調査でもある。
      また、南部では河川が外柵材木塀と交差する箇所であることから、当時の景観復元のため当該地区の調査も実施したい。

    • 外柵地区(真山)の調査
    • 払田柵跡創建期の内容解明にとって重要な外柵地区(真山)の調査を実施する。小規模ではあるが遺構内容確認調査を行う。

  • 払田柵跡関連遺跡の試掘調査等
  • 払田柵跡の解明には指定地内の調査に加え、指定地外の同時代関連遺跡の調査が必要である。そのために、関連資料・情報の収集、現地踏査を踏まえた上で試掘調査を実施する。
    また、一連の作業・調査を通じて県内各市町村との連携を深め、当事務所が蓄積している史跡発掘調査・研究についての実践的な技術指導、史跡の保存・活用に関する情報の提供等を行う。

これまでの5年計画