遺跡の概要・調査成果

調査成果 5年計画の歩み

第4次5年計画(平成元~5年度)

平成元年度からは第4次5年計画として、次のような基本計画を立てた。

  • 南大路を含む外柵南部調査実施
  • 外郭北部の区画施設の調査
  • 政庁東方平坦地の調査
  • 外郭西門の調査
  • 外郭西部の微地形測量
  • 外郭・外柵低地の遺構確認調査
  • 外柵北部・西部の材木塀の調査

平成3年から始まった、仙北町による「ふるさと歴史の広場」事業は、外柵南部の低地を対象としたので、これに対処するため、土地買収後の外柵南部を広く調査した。
その結果、外柵にはこれまで全く知ることのできなかった古代の河川跡があり、河川の流れと外柵が交わるところでは材木塀が当初から作られていないことが判明した。

また、外柵南門と外郭南門を結ぶ大路には橋が設けられていたほか、大路の幅が推定され、長森の裾部に官衙ブロックの一部も見つかるなど、大きな成果があった。

払田柵跡としては初めての漆紙文書も出土した。

政庁の東方にある平坦地に初めての調査の手が入り、多くの建物跡や竪穴住居跡、板塀跡の存在が明らかとなった。

外郭西門と外郭西部の築地土塀が新たに発見され、外郭東・西・南門はいずれも3回建て替えがあることがわかり、門の中では最初に調査した外郭北門の造営回数に疑問が生じることとなった。

長森丘陵全体の微地形測量は終了し、外郭・外柵低地のハンドボーリングによる地山地形復元図を作成するなどの成果もあった。

この5年間での発掘調査面積は10,251㎡、経費は70,000,000円であった。

これまでの5年計画