後藤宙外の河辺府説とは異なり、近年新たに提唱されている河辺府説がある。
新野直吉氏の『古代東北の兵乱』や、新野直吉・船木義勝両氏著『払田柵の研究』で詳細な論が展開されている。
その根拠は次のようなものである。
宙外による河辺府説との相違点は、何よりも払田柵や、他の城柵官衙遺跡の豊富な考古学的調査成果を踏まえた上での立論である点である。
さらに、宙外が秋田城からの国府機能の移転年代を、宝亀6年紀に求めているのに対し、両氏はそれを延暦23年紀に求めていること、文室綿麻呂の事績を重視することなどである。
和名抄より