平成6年度からは第5次5年計画として、次のような基本計画を立てた。
政庁の東側にある平坦地には地形の改変が窺われ、掘立柱建物跡や、多くの板塀跡が検出されている。
この地域の利用の仕方を解明するための調査を実施する。
外郭の北部にある低地は水田のため、これまでほとんど調査がなされておらず、遺構の分布状況が未解明である。
幸い土地の公有化が進んだので、この地域における遺構のあり方を調査する。
外郭線区画施設には全4時期にわたる変遷があり、昭和5年の文部省の調査では材木塀が横倒しとなった状態の箇所も検出されている。
材木塀の上部構造解明の手掛かりを得るための調査と、各時期毎の角材の年輪年代測定を実施する。
外郭にある東西南北4門のうち、東・西・南門は4時期の造営があるが、北門のみは2時期であり、造営回数に疑問が生じたので再調査を実施する。
外柵南部には河川敷の最大幅が100mに及ぶ河川跡が存在し、この河川に関連して材木塀が当初から作られていない部分のあることが判明した。同様の部分が外柵の東部と南部にあることが予想されるので、河川跡の流路の把握とともにその位置の確認のための調査を実施する。
年度 | 調査地 | 調査内容 | 発掘予定面積 |
---|---|---|---|
6 | 1.外郭東部 2.外郭北部 3.外柵東・南部 |
建物跡・板塀の調査 外郭線材木塀の調査 河川跡・外柵材木塀の調査 |
800㎡ 800㎡ |
計 | 1,600㎡ | ||
7 | 1.外郭北部 2.外郭北部 3.外柵東・南部 |
外郭線材木塀の調査 外郭北門の調査 河川跡・外柵材木塀の調査 |
1,000㎡ 200㎡ |
計 | 1,200㎡ | ||
8 | 1.外郭北部 2.外郭北部 3.外柵東・南部 |
外郭線材木塀の調査 遺構分布調査 河川跡・外柵材木塀の調査 |
500㎡ 1,000㎡ |
計 | 1,500㎡ | ||
9 | 1.外郭北部 | 遺構分布調査 | 1,500㎡ |
10 | 1.外郭北部 | 遺構分布調査 | 1,500㎡ |
合計 | 7,300㎡ |