平成16年度からは第7次5年計画として、次のような基本計画を立てた。
第6次5年計画で採用した調査手法は、長森における場の使われ方を予測することと、払田柵跡を適切に保存・管理し、活用するためにも有効であることを再確認した。
このため平成16年度から始まる第7次5年計画では、同様の手法を用い、「場の機能解明」を払田柵跡全域に広げることにしたい。
これは払田柵跡の各地区における場の使われ方と遺構内容を把握し、歴史的意義や特色を明確にすることに繋がるものと考えるからである。
そのために第7次5年計画では、次の調査を行う。
外郭地区は、第6次5年計画に基づく調査において、多様な施設の展開が重層的に認められた。
そこで外郭地区(長森)を対象とする調査を継続し、遺構内容及び機能を解明する。
なお環境整備事業に伴う外郭北門周辺の調査も併せて行う。
土崎・小荒川地区ほ場整事業に伴う現状変更対応の調査である。
これまで調査がほとんど行われていない沖積地における遺構分布や堆積土の情報を得る機会として調査を実施する。
払田柵跡創建期の内容解明にとって重要な外柵地区(真山)の調査を行うために、基準となる測量原点杭打設を行う。
また可能な区域については、小規模な遺構内容確認調査を行う。
払田柵跡の解明には指定地の調査に加え、指定地外の同時代関連遺跡の調査が必要である。
そのために、関連資料・情報の収集、現地踏査等を行う。
この調査を通じて県内各市町村との連携を深め、当事務所が蓄積している史跡発掘調査・研究についての実践的な技術指導、史跡の保存・活用に関する情報の提供等を行う。