横手市戸波 人口:215 人 世帯数:77 世帯

戸波に受け継がれている伝統芸能「ぎおんばやし」「きつねばやし」。5月5日の祭典などで披露される

元禄年間に伝わったと言われる幻の民芸品「戸波ケラ」

戸波神社の入り口にある勇壮な仁王像

冬に行われる「お七日」。子どもの行事が受け継がれている

地域のあらましと歴史

 横手市の旧増田町に含まれる戸波(となみ)地域は、横手市と湯沢市の境に位置しています。
地域を抱くようにそびえる天ヶ台(あまがだい)山の途中に戸波神社が鎮座しており、山門では高さが9尺(約2m70㎝)もある仁王像が見守っています。戸波神社に祀られている神様は子ども好きの神様として知られ、子どもが主体となった活動や、えびす俵、お七日(おなのか)などのお祭りが行われています。
元禄年間(1688年~1703年)からの文献が残る歴史深い地域で、樹齢200年ほどの「吉野の種まき桜」や、元禄年間には既に踊られていた伝統芸能「ぎおんばやし」「きつねばやし」など、歴史に触れられるものが多くあります。
 大正時代に噴出したとされる戸波鉱泉は、地元住民も集まる温かい雰囲気があります。その玄関先には、地域で作っていた祝いケラが飾られています。
かつて、戸波地域では「ミノ」や「ケラ」を作って生計を立てていました。その作り方を伝授したのは、「ぎおんばやし」や「きつねばやし」も伝えたという、加賀国(現石川県)の浪人、対馬監物(つしまけんもつ)です。戸波地域の伝統を伝えた師匠と語り継がれており、地域内には塚が築かれました。
 地域の山沿いにりんごや梨などの果樹が広がっており、春には果樹の花が咲き、白やピンクなどの色鮮やかな景観を楽しむことができます。


※人口・世帯数は令和6(2024)年4月1日現在の横手市のデータです。

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