遺跡の概要・調査成果

調査成果 外郭の様子

ホイド清水

政庁西門から北西約100mの、水田に近いところに湧水があり、地元では古くからホイド清水(スズ)と呼んでいる。 今もわずかながら細々と音をたてて排水路に水が流れ落ちている。

ホイド清水

ホイド清水

昭和5年の藤井東一による記述や、文部省による発掘調査報告書を読むと、井桁が残り、第1号木簡をはじめとして、墨書土器、瓦、曲物、箸など数多くの遺物を出土していることが知られる。
その後は荒廃にまかされていて、調査してみると広範囲に乱掘されていたが、約4m四方の掘形内に7尺四方の井戸枠を設置し、北側に矢板を打ち込んで排水路を設けたものであることがわかった。

遺物には、土師器・須恵器のほか、瓦、須恵器を利用した転用硯、また木製品には、挽物皿、糸巻、糸枠の支え木、曲物の底板および側板、杓子状木製品など、さらに、木簡、絵馬?も出土した。 ホイド清水からは、採集資料も含めて6点の木簡が出土している。

長森には南麓にも小規模な湧水があるし、真山北麓には早坂清水と呼ばれる湧水もある。
ホイド清水は古代において利用された、それら清水の一つである。

第16号木簡の出土状態

第16号木簡の出土状態

作業の様子

作業の様子