「へぇ」は「おなら」、「こいた」は「した」、つまり題名は「おならをしたのは誰だ」という意味です。そう言って犯人捜しをするのは、四角い顔の赤鬼の長男、三角の顔の黄鬼の次男、丸顔の青鬼の三男です。
真夜中の出来事を黒をベースに表現した版画が、暗闇ならではの面白さを際立たせます。疑い合うやりとりがユーモラス。くしゃみにげっぷ、そしておならと、耳も鼻も覆いたくなるのですが、空気感をリアルに描いているのに驚きます。三兄弟のやりとりとともに、画風の面白さも味わってみてください。
すったもんだの末、とてつもなく大きいおならが飛び出します。我慢の限界と雨戸を開けると、すっかり夜は明けており、キュートな兄弟たちの姿が現れます。そして、大きな背中を見せて横になっているのは赤鬼父ちゃん。もしや犯人は―。
なんとも愉快な家族のほっこりするお話です。「ちいせえ ことは きに するな」「でっけえ へは うちだけに しとけよ」との言葉に愉快で豪快な父親像が浮かびます。
そして「きょうも がんばっぺえ」と手を振る父ちゃんを笑顔で見送る家族。うれしい一日の始まりです。楽しい鬼のお話はいかがですか。
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
---|---|
作者名等 | 平田 昌広・作/野村 たかあき・絵 |
出版社 | くもん出版 |