ぐりとぐらのおきゃくさま

 
 双子ののねずみ、ぐりとぐらの物語。パパのパパや、ママのママが子どもだった頃から愛され続けている名作で、今では世界中の人々に親しまれています。
 今回はマントに帽子と冬の装いのぐりとぐらに、お客さまがやってきます。 
 ぐりとぐらは森で、雪の上に大きな穴を見つけます。きっと誰かの足跡!それはぐりとぐらの家まで続いていました。
 家の中には、大きな長靴に赤いオーバーと帽子、白いえりまき、てぶくろにくつした。部屋のすみっこには、白い大きな袋が置いてあります。これは誰のだ?想像が膨らみます。
 ここまでくるとお客さまの正体は絞られますが、まだ分かりません。部屋中がいい匂いに包まれたところで、目の前に現れたのは大きなケーキを持つ白いおひげのおじいさんでした。
 想像をつなげながら、ワクワクドキドキを丁寧に温める構成がすてきです。登場人物たちが表情豊かに愛らしく描かれていて、親子でゆっくり「絵」を読む時間が生まれそうです。
 おじいさんは時計をみて急いで帰っていきました。きっと待っている子どもたちに、たくさんの喜びを届けるのに大忙しの日になりそうですね。クリスマスおめでとう。

 
 
 仁村 由美子(聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園園長)

(令和6年12月7日秋田魁新報掲載)

 

2024あふれちゃんのえほんばこへ進む

対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 なかがわ りえこ・作/やまわき ゆりこ・絵
出版社 福音館書店