むれ

 世の中にはさまざまな群れがあります。あれっ、表紙に描かれた「むれ」のタイトルも何かの群れようです。目を凝らしてみましょう…何か分かりますか?正解はアリです!アリによる「むれ」の文字をたどり、絵本の世界に入りましょう。
 まず登場したのは羊の群れ。50匹以上の中で1匹だけ毛がない羊がいるようです。シンプルでかわいらしいイラストとお題が描かれているので、間違い探しのように楽しみながら、たった一つを見つけましょう。
 その後もキリンの群れにいる1頭だけ首が短いキリン、おばけの群れにいる足があるおばけなどが続きます。群れの中のある一つに焦点を当てると、群れは同じものの集まりに見えます。しかし群れ全体を見ると、同じようだけど同じではない、たった一つが集まったものであることが分かります。
 透明人間の中で1人だけ透明ではないというクスッと笑えるものもあれば、雨の中に1粒だけ誰かの涙という想像力を刺激するものも。多種多様な群れが描かれているので、遊び心を持って思う存分楽しみましょう♪
 あ、そうそう!絵本の中に導いてくれたアリの群れの1匹が、クライマックスに向かって歩み続けているようですよ。
 
 
 髙橋寛光(あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」)

(令和6年10月26日秋田魁新報掲載)

 

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 ひろた あきら・作
出版社 KADOKAWA