ヘスターとまじょ

 
 もうじきハロウィーンです。あの世とつながる日で、幽霊も歩き回るとか。そこで、仲間だから悪さをしないで、と怪しい仮装をするそうです。
 日本にもご先祖さまたちが帰ってくるお盆があります。お盆は迎え火をたいてこちらに案内し、ハロウィーンは人間が異世界の住人になりすます―。なんだか違いが面白いですよね。
 ハロウィーンの日、へスターは魔女の仮装をして、友達が来るのを待っています。待ちきれなくなったへスターは、知らない誰かを怖がらせようと、ビルの間に立つ家のベルを鳴らします。するとおばあさんが笑顔で「さあさあ、お入り」。
 おばあさんの家には、ブクブク泡立つ鍋や黒い衣装と帽子がありました。おばあさんは衣装を着てほうきにまたがると、へスターを乗せ、夜の空をビルより高く飛び回ります。
 ところが帰ってきた時、床にぶつかりほうきは粉々に。へスターは自分のほうきを渡し、また来年会おうね、と約束します。
 家に戻れば、友達がやってきて、パーティーの始まりです。皆さんも、仮装して歩けばいつもと違う人たちと仲良くなれるかも。ハッピーハロウィーン!
 
 

 遠藤美弥子(おはなしの会「おはなしの扉」)

(令和6年10月19日秋田魁新報掲載)

 

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作者名等 バイロン・バートン・作/かけがわ やすこ・訳
出版社 小峰書店