こどもかいぎ

 ドアを開けるとそこは「こどもかいぎ」の真っ最中。スーツに身を包み、かしこまった表情で円卓を囲む6人の子どもたち。ネームプレートにマイクも用意されていて、国際会議さながらです。
 さて、今日の議題は「おこられたときはどうしたらいいか」。謝る、泣く、笑ってごまかすなど、意見交換する子どもたち。ところがだんだんと議題からそれていき、自分の親が怒るとどんなふうになるのか、と思わぬ方向へ。ついにはけんかも始まってしまいます。でもそこはさすが議長。「せいしゅくに!」としっかりその場を収めます。
 しーんと静まり返ったところで、ある女の子がおずおずと話し出します。満場一致で決定した方法とは?それは読んでからのお楽しみです。
 「手洗いしなさい」「野菜も残さず食べて」と子どものためを思って叱ることがありますが、大人になった今、叱られた時の気持ちなんて、すっかり忘れてしまってはいませんか?
 「こどもかいぎ」で選ばれた意見には、子どもも大人もきっと共感できるはずです。
 絵本の最後の見返しでは、ちゃめっ気たっぷりに会議メンバーを紹介しています。温かみのある色使いの絵と一緒に、隅々まで楽しめる1冊です。
 
 

加藤香澄(秋田市河辺保育所)

(令和6年8月31日秋田魁新報掲載)

 

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 北村 裕花・作・絵
出版社 フレーベル館