どうながのプレッツェルとこいぬたち

 
 プレッツェルは世界一胴長のダックスフント。少し頼りないけれど憎めないパパ犬です。この絵本では、彼と妻のグレタ、そして5匹の子どもたちが繰り広げるほほ笑ましい日常を描いています。短いお話をたくさん集めたかわいらしい一冊です。
 「プレッツェルのおかいもの」と題したお話では、プレッツェルがグレタにたくさんの買い物を頼まれます。グレタは子どもたちにも手伝ってもらうよう提案しますが、彼は大丈夫だと胸を張り、自慢の長い胴に荷物をぶら下げて運びます。ところが、途中でネズミを追いかけて荷物はほったらかしに。拾った荷物を引きずって帰ってきたのは、5匹の子どもたちでした。
 漫画のようなこま割りも愉快なお話の雰囲気にぴったり。失敗もするけれど、それもすべて家族への愛情から。やっぱり気持ちが大切ですね。
 グレタと結婚する前のお話が収められた絵本「どうながのプレッツェル」もお薦めです。大好きなグレタにあの手この手で求婚するプレッツェルのなんていとおしいこと。こちらはコミック風ではなく、絵と文で展開する定番の構成の絵本です。

柴田麻衣子(横手市職員・司書)

(令和6年7月6日秋田魁新報掲載)

 

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 マーグレット・レイ・文、H・A・レイ・絵、わたなべ てつた・訳
出版社 福音館書店