絵本の表紙には、すてきなちょうネクタイをしたゴリラと小さな女の子の「ハナ」が並んでいます。作者のアンソニー・ブラウンは早くに父親を亡くし、父を思わせるゴリラがずっと大好きだったそうです。
ハナもゴリラが大好きですが、本物を見たことがありません。お父さんがとても忙しくて、動物園に行けないのです。
誕生日プレゼントにゴリラをお願いしましたが、夜にベッドの下の箱を開けてみたら、出てきたのはおもちゃのゴリラ。ハナはそれをポイッと放り出して眠ってしまいます。
真夜中、なぜか大きなゴリラが迎えに来て、2人はこっそり夜の動物園に忍び込むのです。それから映画を見て、食事をして、夜の庭でダンスして、ぐっすり眠ります。そして誕生日当日、驚くことが。
作者は、お楽しみをたくさん散りばめています。ハナの部屋のランプシェードや階段の手すり、誕生日ケーキの飾りは?庭木や夜景のシルエットも。あなたはいくつのゴリラを見つけられましたか?
それにしても、パパのコートがぴったりなゴリラは、一体誰だったのでしょう。
遠藤 美弥子(おはなしの会「おはなしの扉」)
(令和6年6月1日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | アンソニー・ブラウン・作・絵 |
出版社 | あかね書房 |