おならはくさーい、みんなの前で出ちゃったら恥ずかしーいと思うよね。でもおならをしない人なんていません。あなたのパパもママも、保育園の園長先生も、総理大臣だってするのです。
もちろん、人間だけじゃないよ。お散歩で出会った隣の家の犬のポチも、森の中のくまさんも。おならも、げっぷも、うんちもおしっこも、生き物それぞれの体の中でちゃんと役目を果たして出てきます。
夜中におしっこに行ったおーくんは、でっかいおならを出してしまいましたが、そのおならは、おばけでした。おならおばけがあちこちに現れれば、世界は平和になります。世界中の人たちとスペースオナラ1号で宇宙旅行も夢ではありません。おならが取り持つ縁でみんな笑顔。
まっ黄色で愉快なおならおばけと友達になったおーくんは、一緒にわくわく、夜の街を探検します。とってもすてきな夜です。でも楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいます。おならおばけは「それでは、おーくん。さよおなら~……」と言って消えてしまいました。
あら、おなら、我慢しているの? 我慢しないで出したら会えるかもしれないよ、おならおばけに。
佐藤 郁(鹿角市立花輪図書館)
(令和6年5月18日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | かとう まふみ・作 |
出版社 | 講談社 |