この春、新しい環境で生活を始める人も多いでしょう。どんな出会いがあるのか、期待の中にも不安や緊張感が交じり合うような、そんな思いをしたことはありませんか?
主人公の「しげちゃん」は小学1年生。みんなと早く仲良くなりたくて張り切っていたのに、「しげる」という名前が原因でモヤモヤすることが続きます。
自分の名前が嫌いになって、変えようといろいろ考えてみましたが、どれもしっくりきません。お母さんに頼むと「かえられるわけ ないでしょ」と叱られてしまいました。
涙を流すしげちゃんに、お母さんは何を伝えてくれたのでしょうか。その優しさにふんわりと包み込まれて、温かい気分で読み終えることができます。
皆さんは自分の名前が気に入っていますか。どんな願いや希望を込めて命名したかを、両親に尋ねたことがある人もいるかもしれませんね。
小さな子どもだけでなく、自分について考え始める小学生や中学生、そして大人にもお薦めの1冊です。親子で読んで、生まれた時のことや名前の由来を話題にしてみるのもいいかもしれません。
親子の絆が深まるきっかけになったらうれしいです。
加藤 香澄(秋田市河辺保育所)
(令和6年4月13日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 小学校低学年ぐらいから |
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作者名等 | 室井 滋・作、長谷川 義史・絵 |
出版社 | 金の星社 |