おじいさんぐまは、4匹のこぐまたちが立派になるように、1冊だけ持っている本に書いてある「りっぱなくまのするべきこと」の四つを教えます。
一つ目は木に登ること。でもロナルドは鼻にとげが刺さってしまいました。二つ目は昼寝をすること。でもドナルドはこわい夢ばかり見てしまいます。
三つ目は散歩。ハロルドが散歩をしてみると、雪でつま先が冷たくなってしまいました。そして四つ目は魚釣り。でもサムは滑って川に落っこちてしまいます。
失敗続きの4匹に、おじいさんぐまがお手本を見せますが、4匹はどこ吹く風です。
ロナルドはドナルドを放り投げる技、放り投げられたドナルドは空中でくるりと回る技、ハロルドは縄で輪を作りヒュッと飛ばす技、サムはバイオリンを美しく奏でる技を習得しました。
ちっとも本の通りにしない4匹に、おじいさんぐまはカンカンです。
そうして、どうなったかって?本当にりっぱなクマのするべきことは、イヤイヤするのではなくて、それぞれ得意なことで、自分もまわりも楽しくなることのようですね。
佐藤 郁(鹿角市立花輪図書館)
(令和6年4月6日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 小学校低学年ぐらいから |
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作者名等 | アーノルド・ローベル・作、こみや ゆう・訳 |
出版社 | 好学社 |