間もなくお盆行事がありますね。みなさんは例年どのようにお盆を過ごしていますか? お盆は8月(旧暦の7月)15日を中心に、祖先の霊を慰めるための行事です。今回の絵本は、ぼんちゃんという男の子が、お盆に田舎のおばあちゃんの家へ里帰りするお話です。
おばあちゃんの家に着いたぼんちゃん。お仏壇に手を合わせ、みんなで拝みます。そして、ぼんちゃんはけむしそう(エノコログサ)を探し、おばあちゃんは畑でナスやインゲン、ナンテンの葉を採りました。2人はおしょろさま(精霊馬)を作る材料を集めていたのです。おしょろさまは、キュウリやナスを馬や牛に見立てたお供えのこと。これに乗ってご先祖様が家に帰ってくるのです。その道しるべとして、夕方には庭に迎え火をたきました。
お盆行事は地域や家庭によりさまざまな形で行います。この絵本で描いている風習は、作者が生まれ育った愛知県三河地方の実家のやり方だそうです。
最近は家に仏壇がなく、お墓参りやお盆行事をしない家庭も増えてきたと聞きます。この絵本をきっかけに、親子でご先祖様に思いをはせてもいいかもしれませんね。
田名部 歩(秋田市立中央図書館明徳館文庫)
(令和5年8月5日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
---|---|
作者名等 | あおき ひろえ・作 |
出版社 | 講談社 |