砂浜でピクニックをしているのは、ローリーとスパイダーとサムです。おなかがいっぱいになった3人は、暇を持て余しています。そこで、ローリーが自分で作ったお話を聞かせてくれることになりました。
「ある日、ねずみが、ねこと犬を見ました。『あ、ねこと犬だ。』と、ねずみはいいました。
ねこと犬も、ねずみを見ました。『あ、ねずみだ。』と、ねこと犬はいいました。おしまい。」 どうでしょう。サムもスパイダーもつまらないと言います。そして、自分の方がもっと面白くできると言うサムに、ローリーはねずみとねこのお話にするよう条件をつけます。サムとその後に続くスパイダーのお話は、じっくり本で楽しんでみてください。
三つのお話全てに、ねずみとねこが登場します。でも、サムのお話には温かなユーモアがあり、スパイダーのお話はスリル満点。それぞれの方向にどんどんストーリーが広がっていきます。
空想する楽しさと、それを共有する喜びが伝わる一冊です。続編『木のうえのおはなし3にんぐみ』や『みずうみのおはなし3にんぐみ』でも、3人は楽しい時間を過ごしています。
柴田麻衣子(横手市職員・司書)
(令和5年7月15日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 小学校低学年ぐらいから |
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作者名等 | ジェイムズ・マーシャル・作、小宮由・訳 |
出版社 | 大日本図書 |