しりとりなどの言葉遊びには、上から読んでも下から読んでも同じ音になる回文や、問いかけから答えを導き出すなぞなぞなど、さまざまな種類があります。今回の絵本のテーマは早口言葉。こちらも誰でも知っている言葉遊びの一つですね。
舞台は、商店街で開催される早口早歩き大会です。参加者たちがそれぞれに早口言葉を唱えながらゴールを目指します。おすし屋さんの前では選手が「おしすぎ おしずし おすすめ おすし」。店内では、お客もつぶやきます。「いかから くるか いくらから くるか くるくるずし」
漫画のように吹き出しが使われていたり、看板の文字や観客の声援が早口言葉になっていたりと、眺めても楽しい絵本です。見開きで一つの場面になっていて、どの場面にも10種類以上の早口言葉があります。スタートからゴールまで読み応えたっぷりです。
今回は絵本という形ですが、言葉遊びの本来の素晴らしさは、特別な道具を必要としないところでもあります。遊びの中で育まれるものは多くあります。まずは声に出して読むことで、日本語の面白さを感じてみてほしいです。
柴田 麻衣子( 横手市職員・司書 )
(令和5年6月24日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 小学校低学年ぐらいから |
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作者名等 | 林 木林・作、内田 かずひろ・絵 |
出版社 | 偕成社 |