ぱんだんす

 無邪気でかわいいパンダはみんなの人気者ですね。パンダがテレビに映ると、しぐさや表情にくぎ付けになってしまいます。そんな愛嬌たっぷりのパンダの絵本を紹介します。
 パンダと子どもが腰に手を当て、おしりをふりふり振っています。そう、これはパンダのダンス、ぱんだんす!
 さあ、今度はもっとダイナミックに、片手を上げてお尻をふりふり…では収まりません。ふりふりを超え、おしりぷるんぷるんです。
 次はお外に出かけてお散歩です。大きく腕を振り、ほいっ、ほいっ、ほいっ! 天気が良くて気持ちが良いな。
 でも、つるっと滑って尻もちどすん!そのまま、ぼわん、どて、ぺたんと転がって、パンダはぱんだるまになってしまいます。
 2頭3頭とパンダはどんどん増えてきて、パンダがいっぱい、ぱんだらけ。
 ページをめくるたびに、コミカルな動きをするパンダたちが登場。思わず一緒に踊りたくなります。声に出して読むだけで気持ちが弾みます。パンダのように自由に、親子で一緒に楽しみましょう!

田名部 歩( 秋田市立中央図書館明徳館文庫 )

(令和5年4月8日秋田魁新報掲載)

 

2023あふれちゃんのえほんばこへ進む

有名なグリムの昔話です。母やぎが森へ食べ物を探しにいくあいだ留守番をすることになった七ひきのこやぎ。母やぎからは狼に気をつけるようにいわれます。狼の見分け方はしわがれ声と足が黒いことです。
 まもなくやってきた狼は、こやぎたちが声や足で狼を見分けると知ると、白墨で声を綺麗にし、ねりこと粉で足を白くしてきます。そしてだまして戸を開けさせ、こやぎたちを次々に飲み込んでいってしまいます。助かったのは時計の箱にかくれていた一番末のこやぎだけでした。
 母やぎの悲しみは計り知れません。けれども狼のお腹の中で生きていることがわかると、こやぎたちを助けるためにすばやく動きます。
 この絵本の最後では悪い狼が死に、それをみたこやぎたちが「おおかみしんだ」と叫び、母やぎと一緒に踊りまわります。いっけん残酷に思われるような終わり方です。
 けれども、こやぎたちに気持ちを寄せてお話を聞く小さな子にとって、悪い狼の死は恐怖から解放、叫び声は安心した喜びの声に感じるのではないでしょうか。母やぎのこやぎたちへの愛情や親としての強さ頼もしさもしっかりと伝わってきます。
 繊細で美しい絵と、優しく語り掛けるような丁寧な訳が特徴の長く読み継がれてきた絵本です。
対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 やまぐちりりこ・ぶん、すがわらけいこ・え
出版社 アリス館