春になりました。森や野原で、緑の芽や花のつぼみが育っています。山では、きっとクマたちも目を覚ましていますね。
「くまさん」は、詩の絵本です。作者のまどさんは、子どもの本のノーベル賞と言われる国際アンデルセン賞を受賞した詩人で、「やぎさんゆうびん」「ぞうさん」などたくさんの作品があります。詩というと、大人はなんだか苦手だと思うかもしれません。でも小さいお子さんは、リズムのある言葉や繰り返しが大好きなので、詩と相性がいいと思います。
お母さんと眠っていたこぐまは、春になって目を覚ましますが、自分が誰か忘れてしまっています。タンポポを見ながらぼんやり歩いていると、川に映る自分の顔とご対面。くるくる動く表情を見ていると、春が膨らんでいく感じがしますね。
この詩を小学生に読むと、全員で大合唱になります。まどさんのリズミカルな言葉には、知らず知らず口ずさんでしまう力があるんですね。最近大きな声を出していない方は、ぜひ、この詩をお子さんと声を合わせて読んでみてください。体の中に春が芽生えたような気持ちになると思います。
遠藤 美弥子( おはなしの会「おはなしの扉」 )
(令和5年4月1日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 赤ちゃんから(0歳~ ) |
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作者名等 | まど・みちお・詩、ましませつこ・絵 |
出版社 | こぐま社 |