ぴーぴー ばっくしまーす

 福音館書店の「こどものとも0.1.2.」は、10カ月ごろから2歳ごろまでの子どものための月刊絵本です。今回はその中から、ハードカバー版として改めて刊行されている楽しい1冊を紹介します。
 ネズミの子が「ぴーぴーばっくしまーす」と言いながら、足元に真っすぐ線を引いています。後ろ向きに進んでいくと、「どん」と何かにぶつかりました。ぶつかったのはウサギの子。ネズミの子は「あははうさぎさん」と笑顔になり、ウサギの子も「あははねずみくん」と、なんだかうれしそう。
 次はウサギの子が後ろ向きに線を引きながら「ぴーぴーばっくしまーす」と進みます。「どん」。今度はクマの子にぶつかってしまいます。そしてやっぱり「あははくまさん」「あははうさぎさん」と笑い合います。
 「ぴーぴーばっくしまーす」と「どん」の繰り返しが楽しいですね。ぶつかってもへっちゃらで「あはは」と笑う姿からは、「ごめんね」や「大丈夫だよ」が感じられて優しい気持ちになります。白地にきれいな色で引かれた線は視認性も高く、小さな子どもも理解しやすいでしょう。動物たちと一緒に遊んでいるような気持ちになれる赤ちゃん向けの絵本です。

柴田麻衣子(横手市職員・司書)

(令和6年3月9日秋田魁新報掲載)

 

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 片山健・作
出版社 福音館書店