今回紹介する絵本は、言葉が出始めた赤ちゃんや乗りものに興味を持ち始めたお子さんにお薦めです。
主人公は乗りものを見つけると「あっ!」と言って指をさします。小さいお子さんによく見られる姿ですね。短い言葉のリズム感が心地よく、繰り返す展開に惹きつけられます。「あっ!」という言葉を大げさに強調して読んでみると、お子さんもさらに「なにかなぁ?」と興味を持つと思います。この「あっ!」という言葉だけで気づいたり、空想の世界が広がったりするなんて、すてきなことです。
それぞれの乗りものはページいっぱいに、色も形もシンプルに描かれ、お子さんにも強く印象に残ります。乗りものだけでなく運転手さんも描かれていて、2歳くらいだと船長、パイロットなどの言葉を覚えるチャンスかもしれません。
乗りものの効果音も大きな文字で書かれていて、情景を盛り上げてくれます。主人公をお子さんに見立てて名前を呼びながら読んであげると、一層喜んでくれるのではないでしょうか。
初めて赤ちゃんにあげる乗りもの絵本にもぴったり。実際にお子さんが「あっ!」と指さししてくれる日が待ち遠しくなる1冊です。
佐竹美緒(秋田市河辺保育所)
(令和6年2月10日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 赤ちゃんから(0歳~ ) |
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作者名等 | 中川ひろたか・文、柳原良平・絵 |
出版社 | 金の星社 |