しましまぐるぐる

「赤ちゃんに読む絵本」は数あれど、「赤ちゃんが安心安全に読める絵本」はあまり多くはないと思います。この絵本は、厚紙に耐水コーティングがされており、よだれでぬらしても、引っ張ったり投げたりしても大丈夫です。赤ちゃんに渡しても、安心安全に長く楽しむことができます。
 それぞれのページには「しましま」の魚やスイカ、「ぐるぐる」のヘビやぺろぺろキャンディーなど、「しましま」と「ぐるぐる」が黒や白、赤などの鮮やかな色で描かれており、すごく目を引きます。
 赤ちゃんは生まれながらに目や口がある「顔」に反応するといわれています。この絵本には顔もかわいらしく描かれており、赤ちゃんが注目すること間違いなしです。後半にはしかけ穴もあり、手を入れたり、のぞいたりと「見る・読む」だけではなく、「遊ぶ」ことができる内容になっています。
 読み聞かせする際にも言葉のリズムや語呂が良く、繰り返し読みたくなるこの絵本。北米やアジア圏でも翻訳出版され、広く愛されています。お子さんのファーストブック兼おもちゃとして、親子のコミュニケーションの一環として、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

 林一輝(NPO法人ファザーリング・ジャパン東北)

(令和6年1月20日秋田魁新報掲載)

 

2023あふれちゃんのえほんばこへ進む

有名なグリムの昔話です。母やぎが森へ食べ物を探しにいくあいだ留守番をすることになった七ひきのこやぎ。母やぎからは狼に気をつけるようにいわれます。狼の見分け方はしわがれ声と足が黒いことです。
 まもなくやってきた狼は、こやぎたちが声や足で狼を見分けると知ると、白墨で声を綺麗にし、ねりこと粉で足を白くしてきます。そしてだまして戸を開けさせ、こやぎたちを次々に飲み込んでいってしまいます。助かったのは時計の箱にかくれていた一番末のこやぎだけでした。
 母やぎの悲しみは計り知れません。けれども狼のお腹の中で生きていることがわかると、こやぎたちを助けるためにすばやく動きます。
 この絵本の最後では悪い狼が死に、それをみたこやぎたちが「おおかみしんだ」と叫び、母やぎと一緒に踊りまわります。いっけん残酷に思われるような終わり方です。
 けれども、こやぎたちに気持ちを寄せてお話を聞く小さな子にとって、悪い狼の死は恐怖から解放、叫び声は安心した喜びの声に感じるのではないでしょうか。母やぎのこやぎたちへの愛情や親としての強さ頼もしさもしっかりと伝わってきます。
 繊細で美しい絵と、優しく語り掛けるような丁寧な訳が特徴の長く読み継がれてきた絵本です。
 プールの季節がやってきました。皆さんは泳げますか? 泳げるようになりたい人は、ぜひこの絵本を読んでみてください。
 絵本によれば、イヌもネコもゾウもライオンも、みんな泳げます。だって体が水に浮くのですから。では、人間はどうでしょう? お風呂で試してみましょう。力を抜くと、手も足も浮かんできますね。しかも、動物も人間も、体の中に「うきぶくろ」があります。息をいっぱい吸うと、肺の中の空気が「うきぶくろ」の働きをして、体が水に浮きやすくなるのです。
 「はい、そうですね」と泳げるようになれたら簡単ですが、なかなかそうはいきません。でも大丈夫。絵本ではちゃんと、プールでの練習方法も教えてくれます。
 初めに、ゆっくりと歩く。それから走る、浮かぶ。おっとその前に、水のかけ合いっこで、顔がぬれても平気になろう。次は水の中で息を吐く練習。水の中で目を開けられるかな? 体を丸めると、ほら、浮いた。それから手を持ってもらって、横になる。そして足をばたばたさせると、前に進む。泳げるぞ。
 あとはプールで試してみるだけですね。どうぞ皆さん、良い夏をお過ごしください。
 ぼくの部屋には恐竜がいっぱい。フィギュアに布団、枕も恐竜。寝る前に、お母さんが恐竜の絵本を読んでくれたけれど、途中で赤ちゃんの泣き声が聞こえて出て行っちゃった。つまらないから、布団にもぐって、猫のミーコとほら穴探検に出発だ。
 ようやく出口が見えてきました。遠くからドドドドドド…とすごい数の恐竜たちがやって来ます。肉食竜に追われた草食竜のようです。ぼくは逃げ遅れたランベオサウルスの小さな子どもを見つけ、助けます。小さいぼくたちと大きな肉食竜の対比が、怖さを引き立てます。ランベオサウルスの子どもはお母さんとはぐれたようです。ぼくとミーコは一緒にお母さんを探してあげることにしました。
 暗い夜なのにいろんな恐竜がいて、ぼくにはうれしい出会いです。プテラノドンやパラサウロロフスを頼って湖を渡り、お母さんと再会します。でもその途端、火山が爆発。ぼくとミーコはほら穴に潜り込み、布団に戻りました。
 絵本にはたくさんの恐竜のスケッチが並んでいます。当てっこや「恐竜あるある」に花が咲きそうですね。恐竜と出会い、友達にもなれるわくわくを味わってみませんか? 
 
仁村由美子(聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園)
 明日から初場所が始まりますね。みなさんは、お相撲さんを見たことがありますか? 私は数年前に駅のホームで見かけたことがあります。表紙のお相撲さんのように、とても大きくて力強い印象を持ったことを覚えています。今回はお相撲さんの一日を、しりとりでつないで書いている絵本を紹介します。
 ここは尻取部屋の稽古場です。今日も稽古に励む関取は調子が良いようで、投げ技がバッチリ決まってるんるんご機嫌です。
 稽古終わりにちゃんこ鍋をしっかり食べて、いざ会場へ。付け人と対戦相手を確認すると、かばのやまでした。関取は、前にかばのやまに負けています。その時のことを思い出すと闘志がみなぎってきました。自分よりもはるかに大きいかばのやまに、今度こそ勝つことができるのでしょうか? 
 観客席からは大歓声、両者は土俵へ上がり気合は十分。いよいよ借りを返す時です。はっけよーい…のこった!!
 2人の取り組みが臨場感あふれる絵で表現されています。読んでいるこちらにも熱気が伝わってくる絵と、リズミカルなしりとりを一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
田名部歩(秋田市立中央図書館明徳館文庫)
「赤ちゃんに読む絵本」は数あれど、「赤ちゃんが安心安全に読める絵本」はあまり多くはないと思います。この絵本は、厚紙に耐水コーティングがされており、よだれでぬらしても、引っ張ったり投げたりしても大丈夫です。赤ちゃんに渡しても、安心安全に長く楽しむことができます。
 それぞれのページには「しましま」の魚やスイカ、「ぐるぐる」のヘビやぺろぺろキャンディーなど、「しましま」と「ぐるぐる」が黒や白、赤などの鮮やかな色で描かれており、すごく目を引きます。
 赤ちゃんは生まれながらに目や口がある「顔」に反応するといわれています。この絵本には顔もかわいらしく描かれており、赤ちゃんが注目すること間違いなしです。後半にはしかけ穴もあり、手を入れたり、のぞいたりと「見る・読む」だけではなく、「遊ぶ」ことができる内容になっています。
 読み聞かせする際にも言葉のリズムや語呂が良く、繰り返し読みたくなるこの絵本。北米やアジア圏でも翻訳出版され、広く愛されています。お子さんのファーストブック兼おもちゃとして、親子のコミュニケーションの一環として、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
 林一輝(NPO法人ファザーリング・ジャパン東北)
対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 かしわらあきお・え
出版社 Gakken