にかほ市冬師・釜ケ台 人口:148 人 世帯数:60 世帯

観衆と一体になり行われる賑やかな釜ケ台番楽

鳥海山が水面に映える冬師湿原

5月5日の釜ケ台の山神社祭典では、不思議な獅子頭が登場する

春の風物詩・冬師湿原の野焼き

地域のあらましと歴史

 冬師・釜ケ台(とうし・かまがたい)地域は、にかほ市の北東部に位置しています。
 冬師集落の南には約260ヘクタールにおよぶ広大な冬師湿原があります。冬師湿原は希少なハンノキが生育し、水芭蕉やススキの群生地としても知られています。毎年、5月のゴールデンウィーク前後には害虫駆除や雑草の処分のため、冬師、上坂集落の住民で野焼きを行います。雪化粧を残す真っ白な鳥海山を背景に、煙と炎が立ち昇る様子は、1年に1度しか見られない冬師湿原の貴重な姿です。野焼きの後の湿原には、丈夫なワラビが育ち、シーズンには山菜採りの人々が訪れます。
 また、約2,600年前の鳥海山の大噴火により、鳥海山に自生していたスギなどの巨木が、火山灰などが雨で流れ出した泥流によって土中深くに埋没しました。そして現在、冬師・釜ヶ台地域一帯には、樹齢1000~1500年の巨木が、土の中で当時の姿を残したまま「埋もれ木」として眠っています。
 さらに、この地域には、約400年前に鳥海山の山岳信仰のもと、京都からの修験僧によって伝えられたとされる山伏神楽(やまぶしかぐら)である、「番楽(ばんがく)」と呼ばれる伝統芸能があります。なかでも県指定無形民俗文化財にも登録されている「釜ケ台番楽」は、人口減少が続くこの地で、この伝統芸能を後世に残していこうと、平成29(2017)年に保存会が広報チームを立ち上げて、SNSでの情報発信や、デジタル技術と融合した新たな取組を行っています。昔からのしきたりにこだわらず、地域外や県外の方なども取り込み、「釜ケ台番楽」を継承していくことにも力を入れています。

※人口・世帯数は令和5(2023)年4月1日現在のにかほ市のデータです。

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