14ひきのひっこし

 

 
  
 
 

 14匹のネズミの一家が新しいおうちに引っ越しをするお話です。引っ越しと言っても人間とは違って、決まった行き先も用意された家もありません。家族みんなで秋の森を歩き、家を造るのに適した場所を探すところから始まります。道中、怖いイタチやフクロウから身を隠したり、ロープをつたって川を渡ったりと、危機を乗り越えながら進んでいきます。
 そうして、やっと見つけたすてきな木の根っこ。図面を手にしたお父さんに、子どもたちも力を合わせ、根の下の穴へ竹や材木を運び込んで部屋を造っていきます。協力・分担して作業を進める姿から、家族の助け合いが読み取れます。
 身近な世界を小さなネズミの視点で表現していて、全く違う世界のようにも感じられます。森の自然や14匹それぞれの描写も細かく、絵を隅々までたっぷり眺める楽しさがあります。特に10匹の子どもたちはそれぞれ個性があって、お気に入りの子を見つけるのもお勧めです。
 読むたびに新たな発見があり、新鮮な気持ちを味わえるはずです。作中に描かれたような秋の情景を感じに、家族で外を歩いてみるのもいいですね。
 本作は、このネズミ一家が登場する「14ひきの」シリーズの1作目に当たります。ぜひ、他のタイトルも読んでみてください。





刀根景子(秋田市寺内保育所)

(令和8年10月31日秋田魁新報掲載)

2026あふれちゃんのえほんばこへ進む

林一輝(NPO法人ファザー リング・ジャパン東北)
対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 いわむら かずお・作
出版社 童心社