あつい あつい

 

 
  
 
 


 絵本の中に広がっているのは、灼熱の砂漠を思わせるギラギラした黄色い地面。ペンギンが汗をかきながら、涼を求めてさまよっています。日陰を見つけ「ああ、すずしい」とホッとしたのもつかの間、「だれ!ぼくのひかげですずんでいるのは」と不満げな声が。ペンギンは、アザラシの体から伸びる小さな影に入っていたのでした。アザラシが「ぼくだってあついんだよ」と言うので、一緒に涼める場所を探します。
 ようやく大きな日陰を見つけ、ひと息ついたペンギンとアザラシ。しかし、ここでも同じように「だあれ!あたしのひかげですずんでいるのは」との声が。今度の日陰はカバの影だったのでした。「あたしだってあついのよ」と言うカバと連れ立って歩いていくと…。
 動物たちが暑さにぐったりしている様子は、見ているだけでじわっと汗が出てきそう。でも読み終わった時には、みなさんに涼やかな風が吹き渡ります。
 作者は真夏にプールへ向かう男の子たちの姿から、この作品を着想したそうです。夏場にアスファルトの上で感じる暑さは、確かに砂漠並みかも。皆さん、お出かけの際にはくれぐれも熱中症にお気を付けくださいね。





 

遠藤美弥子(「おはなしの扉」代表)

(令和8年8月1日秋田魁新報掲載)

2026あふれちゃんのえほんばこへ進む

林一輝(NPO法人ファザー リング・ジャパン東北)
対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 垂石 眞子・作
出版社 福音館書店