はじめてであう きょうりゅう

 

 
  
 
 


 恐竜は、分かっていることよりも分かっていないことのほうがはるかに多いと言われている生き物です。この本は、さまざまな恐竜の特徴について学ぶことができ、分からないことを自由に想像することの楽しさも教えてくれる作品です。
 短くリズミカルな文章で生態や大きさを解説してくれます。コンプソグナトゥスというニワトリほどの大きさの恐竜がいたこと。しっぽの長いディプロドクスはバスを2台並べたよりも長かったこと。身近なものと大きさを比べることで、恐竜と「初めて出会う」お子さんの理解を助けてくれます。
 絵は全てステンシルです。くりぬいた型紙の上から色をのせる技法で、シンプルな形と優れた色使いが目を引きます。同じ種類の恐竜を6頭、それぞれ異なる色と模様で描き分けたページもあります。本当の姿が分かっていないからこそ、さまざまな可能性に思いを巡らせることができるのですね。
 かつてこの地球に生きていた巨大な生き物。その迫力あふれるイメージとは裏腹に、本作はふんわりと温かみのある色や易しい言葉遣いでまとめられ、親しみやすい一冊に仕上がっています。





 

柴田麻衣子(横手市職員・司書)

(令和8年7月11日秋田魁新報掲載)

2026あふれちゃんのえほんばこへ進む

林一輝(NPO法人ファザー リング・ジャパン東北)
対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 バスチャン・コントレール・作/真鍋 真・訳
出版社 岩波書店