おこだでませんように

 

 
  
 
 


 もうすぐ七夕。今回紹介するのは、七夕の短冊に願いを込めた男の子のお話です。
 「ぼくはいつもおこられる」。妹を泣かせたって怒られて、宿題してないって怒られて、友達とけんかして怒られて…。「どないしたらおこられへんのやろ」。本当は「ええこやねえ」と褒めてもらいたいのに。
 7月7日、学校で短冊に七夕さまのお願いを書くことになりました。友達は「サッカーせんしゅになれますように」「ピアノがじょうずになりますように」と書きました。「ぼく」は一番のお願いを一生懸命考えて、習ったばかりのひらがなで1文字ずつ、心を込めて書きました。「おこだでませんように」。
 先生はその短冊をじっと見て、「せんせい……、おこってばっかりやったんやね。……ごめんね。ほんまにええおねがいやねえ」と褒めてくれました。その夜、先生から話を聞いたお母さんは、ぎゅっと抱きしめてくれました。男の子はうれしくて、「ぼくもっともっとええこになります」と誓いました。
 良かれと思ってしたことが裏目に出たり、自分だけが悪者にされたり。「ぼく」の悔しさや「お母さんの笑顔が見たい」と願う気持ちがひしひしと伝わり、胸が熱くなる一冊です。





 

高橋弘子(秋田市立中央図書館明徳館)

(令和8年7月4日秋田魁新報掲載)

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林一輝(NPO法人ファザー リング・ジャパン東北)
対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 くすのき  しげのり・作/石井 聖岳・絵
出版社 小学館