とうさん まいご

 

 
  
 
 


 きょうは、父さんとデパートでお買い物。ところが、ぼくがおもちゃを研究しているうちに、気付いたら父さんが迷子になっていた─。普通なら子どもが迷子になる場面。ですが、この絵本は父さんが迷子になったという男の子の視点で描かれています。
 店内をあちこち探して回ると、父さんにそっくりな背広を着ている人、帽子をかぶった人、 靴やネクタイをしている人…。「やっと見つけた!」と思ったのに、よく見るとどの人もまったく知らない人でした。父さんはなかなか見つかりません。
 この絵本の面白さは、この「探しても見つからない」ところにあります。柱の陰や陳列棚 の上、ピアノの下など、背景の一部分を切り抜いた仕掛け絵本になっていて、ページをめくりながら男の子と一緒になって父さんを探す楽しさがあります。 「ここかな?」「ちがうね!」 と親子でクイズのように読み進めるのが、ワクワクする秘訣です。男の子の語り口がユーモラスで、思わずクスッと笑ってしまうような展開が続きます。
 果たして、男の子と父さんは再会できたのでしょうか?おもちゃは買ってもらえたのでし ょうか?親子そろって、裏表紙までしっかり読んでみてくださいね。



 

髙杉尚子(鹿角市立花輪図書館)

(令和8年6月20日秋田魁新報掲載)

2026あふれちゃんのえほんばこへ進む

林一輝(NPO法人ファザー リング・ジャパン東北)
対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 五味 太郎・作・絵
出版社 偕成社