子ブタのトンちゃんは、いすを作ります。トン、トン、トン。トン、トン、トン。友達が欲しいので、出来上がったいすに「ともだちのいす」と名前を付けました。ともだちのいすを浜辺に置いて、その隣で地べたに座って海を眺めます。誰かがいすに座るのを待ちながら。
ニワトリがやって来ました。ニワトリは「このいすはおとしものなの?」と聞きます。トンちゃんが「いいえ、ともだちのいすです」と答えると、台所にいすが欲しかったニワトリは残念そうに立ち去りました。
ともだちのいすに最初に座ったのは、トラでした。怖がるトンちゃんを尻目に、トラは「ともだちっておれのことか」と、うれしそうに腰かけます。そして、ぐーとおなかを鳴らしたかと思うと立ち上がり、トンちゃんを食べようと牙をむきます。絶体絶命のトンちゃんが「ともだちは、ともだちをたべちゃだめー!」と無我夢中で叫ぶと、トラは踏みとどまりました。
この後、2人は夕日を眺めて、本当のお友達になります。せりふがなく、夕焼け空と海が広がるすてきな描写から、トンちゃんとトラの心情に思いをはせてみてください。読むと心がほっこり、温かくなる一冊です。
| 対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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| 作者名等 | 内田 麟太郎・文/おくはら ゆめ・絵 |
| 出版社 | くもん出版 |