しーっ

 

 
  
 
 

 表紙のウサギさんが口元で人さし指を立てています。おなじみの「しーっ」のポーズです。でも一体どうして?
 表紙を開くと、ウサギさんがおしゃべり中の黄色い小鳥さんたちに「しずかにしてくださーい」と呼び掛けています。さらに、その理由も耳打ちします。ささやき声なので、読み手の私たちには聞こえてきません。表情はなんだかうれしそうです。
 今度は小鳥さんたちが、ラッパを吹いているリスさんに「しーっ、しずかにしてくださーい」とお願いします。リスさんは泥んこ遊びをしているブタさんに、ブタさんは体操をしているゾウさんたちに、静かにしてとお願いします。こうして「しーっ」は、伝言ゲームのようにどんどん広がっていきます。
 そしてブタさんは、ある場所へゾウさんたちを案内します。さっきのウサギさん、小鳥さん、リスさんも集まって、みんなで何かを見ています。一体何を見ているのでしょう。それは読んでのお楽しみ。理由を知ったらみんなも「しーっ」としたくなるかもしれません。
 柔らかなタッチで描かれたかわいらしい動物たち。思いやりの心が伝わってきて、優しい気持ちになれる作品です。最後の場面には思わずにっこり。笑顔になれますよ。



 

田丸美穂(秋田県子ども読書支援センター)

(令和8年3月28日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 たしろ ちさと・作・絵
出版社 フレーベル館