まわるおすし

 

 
  
 
 

 表紙に描かれているのは、回転ずし屋さんで一生懸命お皿に手を伸ばす真剣な表情の子どもたち。そんな絵にぐいっと心をつかまれる一冊を紹介します。お話の主役は月に1度、回転ずしを食べに行くのを楽しみにしている4人家族です。お出かけするのはそう、お父さんの給料日です。
 円陣を組み、「ファイト オー!」と気合を入れてから入店します。着席すると、お父さんがまるで野球チームの監督のように「おちついていけよ」と心構えを指示。その後も肘を触ったり鼻に手をやったり、家族にしか分からないサインや暗号めいた言葉を繰り出します。子どもたちはそれに従い、皿の色や柄を見極め、流れてくるおすしに手を伸ばしていきます。
 家族がおすしを食べ進めていく様子は躍動感たっぷり。力強い絵と、テンポのいい展開に引き込まれます。
 最近は注文にタッチパネルを導入する回転ずし店が増えています。レーンを回るおすしを見て、どれを食べようか悩んだり、お皿の絵柄で値段を比べたりしていた頃が懐かしいです。
 「おすし」がお祝いメニューの定番だというご家庭も多いでしょう。お父さんお母さんの思い出話も交えながら、この作品を親子で楽しんではいかがでしょうか。



 

加藤香澄(秋田市河辺保育所)

(令和8年3月14日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 長谷川 義史・作
出版社 ブロンズ新社