くよくよしてもしかたがない!

 

 
  
 
 

 昔々のお百姓さんとその奥さんのお話です。
 お百姓さんは毎日外で畑仕事。奥さんは家で掃除や料理を担い、娘や動物を世話しています。お百姓さんはいつも、自分の方がたくさん働いていて、奥さんの仕事は楽だと思っていました。そんな話を聞かされた奥さんは、互いの仕事を取り換えてみることを提案します。
 次の日。奥さんは、夜明けと同時に仕事に出かけます。お百姓さんは、朝食のソーセージを焼き始めます。そして、地下室のたるからカップにビールを注ぐことにしました。ところが、ソーセージを犬に取られ、それを追いかけている間に地下室はビールまみれに。「くよくよしても、しかたがねぇ」と気を取り直し、バターを作りながら娘を見ていると、雌牛に水をやり忘れていたことに気付きます。
 奥さんが帰るころには、家中とんでもないことになっています。その経過はぜひ読んで楽しんでみてください。何が起きても、表題どおり前向きなお百姓さんですが、最後にはちゃんと気が付きます。奥さんの仕事だって「ちっともらくじゃねぇ」ことに。
 ボヘミア(現在のチェコ)にルーツを持つ絵本作家による、昔話を基にした、愉快でほほえましい作品です。



 

柴田麻衣子(横手市職員・司書)

(令和8年3月7日秋田魁新報掲載)

2025あふれちゃんのえほんばこへ進む

対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 ワンダ・ガアグ・再話・絵/小宮 由・訳
出版社 瑞雲舎