ルシールはうま

 

 
  
 
 

 今年のえと「午」にちなみ、馬が登場する絵本をご紹介します。表紙にも描かれた馬の名前はルシール。お百姓さんの馬で、せっせと畑で働きます。
 ルシールには悩みがありました。「わたしって、ぱっとしない うまね」。水たまりに映る泥だらけの自分の姿に飽き飽きしていたのです。
 そんなある日、お百姓さんの奥さんが、ピンクのバラの付いた帽子ときれいな赤い靴、真っ白なかわいいドレスを買ってくれました。着飾ってすっかり貴婦人になったつもりのルシールは、畑仕事をせず家に入り、奥さんと一緒にお茶を飲み、ラジオを聴いて過ごすようになります。でも果たして馬のルシールにとって、それが一番幸せなことなのでしょうか。
 原題は「Lucille(ルシール)」。「ルシールはうま」という、岸田衿子さんによる邦題は絶妙です。
 作者は、2匹の仲良しのカエルが登場する物語「おてがみ」で有名なアーノルド・ローベル。分かりやすい文章でテンポ良く展開するストーリーを、楽しい絵が盛り上げてくれます。
 ローベルの別作品「どろんここぶた」にも馬が出てきます。もしかしてルシール?気になる方はそちらも一緒に読んでみてくださいね。

 

田丸美穂(秋田県子ども読書支援センター)

(令和8年1月10日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 アーノルド・ローベル・作 /岸田 衿子・訳
出版社 文化出版局