よるのきかんしゃ、ゆめのきしゃ

 

 
  
 
 

 

 鉄道好きの子どもたちに向けた、すてきなお話です。おなじみの動物たちや、初めて耳にするような鉄道用語がたくさん登場します。
 月の浮かぶ夜空に汽笛を響かせ、蒸気機関車がやってきました。後ろにはさまざまな種類の貨車がつながっています。
 駅に着くと、機関士の合図で動物たちが一斉に働き始めます。サルたちはジャグリングさながらに、キリンは重機を使って、それぞれ貨車に荷物を積んでいきます。力自慢のラクダは、飛行機にクレーン車、自転車だって楽々運んでいきますよ。
 ペンキはタンク車、ぬれても構わない物は屋根なしのゴンドラ車にお任せ!カチコチに凍ったアイス、ぴかぴかのレーシングカー、骨に夢中なティラノサウルスも貨車に載せました。
 荷物を積み終え、みんなが乗ったら、次の駅へ出発進行。動物たちはそろって横になり、そっと目を閉じます。明日の朝までぐっすり、おやすみなさい。
 ファンタジックな雰囲気の絵で夜の世界へいざないます。夢の中の出来事なのか、それとも知らない世界なのか、余韻に浸りながら眠りにつけそうです。

 

加藤香澄(秋田市河辺保育所)

(令和7年12月20日秋田魁新報掲載)

2025あふれちゃんのえほんばこへ進む

対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 シェリー・ダスキー・リンカー・文/トム・リヒテンヘルド・絵/福本 友美子・訳
出版社 ひさかたチャイルド