みみかきめいじん

 

 
  
 
 

 物語の舞台は耳かき屋さん。ひょうたんの形をした耳かき名人「ひょ・うーたんせんせい」と、弟子「ひょうすけ」のお店です。先生は商売道具の「みみかき草」に水まきをしています。耳かきの形をした草がずらりと、まるで野菜畑のように並んで伸びていて、ふわふわの梵天が花のように咲いています。
 最初のお客さんは大きなゾウ。ひょうすけは先生に命じられ、みみかき草を取りに行きます。ひときわ大きなみみかき草を懸命に引っこ抜き、先生に届けました。それを使って先生に耳かきをしてもらったゾウは「トロトロトロリ~」。気持ち良くてとろけてしまいました。次にやってきたのは100匹のウサギ。並んで耳かきをしてもらったウサギたちは「コロコロリ~」。気持ち良くて、つながって丸くなってしまいました。
 続いて、「シャン シャン シャン シャン」という音を響かせてやってきたのは透明人間!? 姿が見えなければ、専用のみみかき草も透明だから、さあ大変。間違って鼻の穴をほじってしまいました。お客さんがくしゃみをした瞬間、透明人間の本当の姿が…!
 温かみのある絵に和むも良し、心地よさを表現する言葉やしぐさをまねっこするも良し。耳かきを通じて家族で触れ合うきっかけにもなりそうですね。

 

髙橋寛光(あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」)

(令和7年12月6日秋田魁新報掲載)

2025あふれちゃんのえほんばこへ進む

対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 かがくいひろし・作
出版社 講談社