たべたの だあれ

 

 
  
 
 

 今回ご紹介するのは、ちょっと不思議な「当てっこ」絵本。それぞれ見開きの左ページに食べ物、右ページに動物のグループが描かれています。動物の姿をよく見比べて、食べ物を食べた〝張本人〟を探し当てる、楽しい作品です。ヒントは絵の中に隠されています。
 まずは2頭のゾウ。どちらかがサクランボを食べたようです。比べてみると、あれ、1頭だけしっぽがサクランボになっています。続いて3頭のライオン。うち1頭がイチゴを食べたみたいです。順番に顔を見ていくと、ほら、鼻がイチゴに変わっている子がいますよ。4頭のウシの中には、目玉焼きを食べた子がいるようです。体が白黒模様になっているウシたちですが、目玉焼きを食べた子だけ、その模様が…。
 こんな風に、食べ物を食べた子だけ、見た目がどこか違って描かれています。体の形や色、模様をよく見てみてください。ページをめくるにつれ、動物たちの数も増えていきます。さて、食べたのだあれ。
 作者の五味太郎さんは、風景の中に隠れた金魚を探し出す「きんぎょが にげた」(福音館書店)なども手掛けています。こちらも気になったら手に取ってみてくださいね。

 

佐々木恭子(秋田市立中央図書館明徳館フォンテ文庫)

(令和7年11月29日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 五味 太郎・作
出版社 文化出版局